世界のひとつの解釈を美しく描き上げた作品

機械仕掛けの惑星を計算で動かす彼は、「真の乱数」を求めて悩み続ける。

この世界のどこまでが偶然で、どこまでが必然なのだろうか。
この問いには物理学者も頭を悩ませるだろう。
一応、量子力学では、ミクロな世界の粒子の動きは予測できないことがあるという。
だが、おそらくこの作品はその偶然性すらも「真の乱数ではない」といっている。

では、真の乱数とは何なのか。読んで確かめてほしい。

哲学的テーマへの回答が示されたとき、世界が色づく。その色がきれいとも汚いとも言いがたく、ただエネルギーに満ちあふれている。その描き方が良かった。

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