彼が求めたものは、”真の乱数”という名の奇跡なのだろうか?

【感想】
物語は、退屈そうに歯車を見つめるところから始まっていく。
彼は全て計算で導き出すことが出来る。

つまり、生命の誕生は計算外の奇跡という事。しかし、その奇跡は、簡単に起きたわけでも、自ら起こすことが出来た出来たわけでもない。だが、彼は待ち望んでいたのだ、その時を。奇跡が起きた時は、信じられず何度も計算して確かめている。

生命の誕生を独特の感性、そして比喩で描かれているところが面白いと感じた。時は目に見ることは出来ない。宇宙という、時を感じることのできない世界で。変わらない日常が繰り返され、退屈であり変えることもできない。どんなに複雑化されても、計算できるものは不変的なもの。ただし、可変を求めているのではない。予測も計算も出来ない未知数のモノを求めていたのではないだろうか。それが彼の言う”真の乱数”なのではないだろうか。

分かりやすいのに分かり辛く。
なかなかうまく感想の述べられない物語だと感じた。
独創的で面白い作品だと思う。

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