ホーリーセブン〜能ある鷹は爪を隠す〜

第5話 再会

　12月1日

　📰愛子内親王誕生。

湘南新宿ライン運転開始。

　12月5日 　　

　📰沙知代夫人の脱税事件の責任を取る形で阪神の野村克也監督が辞任（12日、後任に星野仙一前中日監督が就任し18日には就任会見が開かれた）。

　12月7日

　📰高松琴平電気鉄道が民事再生法適用を申請。前年7月のそごうグループ破綻が引き金に。

　智也は『恩龍（おんりゅう）』という刀で鬼を倒した。

　独脚鬼（どっきゃくき）という一本足の山の神だ。中国と朝鮮に伝わる。

　中国では、身体的特徴や生息地などの共通点から中国南部の少数民族の伝承にある精霊「山魈（さんしょう）」に由来するとされる。

　六朝以前の原初的な独脚鬼と六朝以降の多様化した独脚鬼に分類でき、前者はさらに「山民信仰による山の神」と「農民信仰による田の神」に分類される。

　山に鎮座して山を荒らすものに災いをもたらす一方で、時折田に下りて農作物に恵みをもたらすという去来性を有している。

　六朝以降は単なる山の神に止まらず、富をもたらす財神や女性を襲う好色な化け物として描写されるようになる。これについては漢民族の南下による少数民族の信仰への影響、また山民の生活圏の移動とそれに伴う生業の変化が理由として考えられる。

　最大の特徴である一本足の由来については定かではないが、中国神話の「夔（き）」や「独脚五通」の異名を持つ中国南部の「五通神」など別の一本足の神・妖怪の影響があるとされる。他にも樹木や足の不自由な者（兎歩）を模したとする説や、「男性器崇拝」説などがある。

　朝鮮の独脚鬼は名前が同じだけでその伝承が異なる。菅笠を被って蓑を着て、小雨の日に笠下の目を白黒させながら一本脚でぴょんぴょん跳ね回る。特定体質の人に病気を誘発するが、独脚鬼と離れるとすぐ治る。ひどい悪臭がする。名刺や表札など人の名前が書かれたことを恐れる。辛敦復の 『鶴山閑言』では、ソウルの宗廟の近くで目撃されたとある。『鶴山閑言』と李圭景の『五洲衍文長箋散稿』では、いずれもこの独脚鬼を上述した中国の山魈と比較している。

　鬼を倒したことで、智也は元の時代に戻ることに成功した。

　12月9日

　📰タレント田代まさしが軽犯罪法違反容疑で現行犯逮捕。

　智也はドイツにやって来た。ペルヒタという魔女に遭遇した。魔物を引き連れ、不思議な音楽を奏でながら現れる。群れは廃墟に集まって踊っている。

　出て行け!と立ち退きを要求した住人が斧で叩き殺された。

　🇩🇪ドイツの旗を手に入れた!

　12月11日

　📰 覚醒剤取締法違反容疑（使用・所持）で田代まさし氏が再逮捕された。これを受け、当時田代の所属していたエムティエムプロダクションは12月11日付で田代まさしの契約を解除。

　牙城憲一（がじょうけんいち）は朝霞刑務所を出所してきたばかりのならず者。平凡な生活に退屈していたウェイトレスの智子（ともこ）は憲一に興味を持ち、憲一が彼女の面前で食料品店の強盗を働くことで更に刺激される。2人は車を盗み、町から町へと銀行強盗を繰り返すようになる。

　やがて、頭の鈍い『スピカ自動車』の整備士、武田信夫（たけだのぶお）が車の整備係として仲間入りする。更に憲一の弟、憲二（けんじ）と彼の妻、順子（じゅんこ）も一行に加わり、憲一と智子の強盗団はスーパーギャングとして新聞やニュースで大々的に報道されるようになる。貧しい銀行の客からは金を奪わないので市民から英雄視された。

　強盗団は捜査の網を掻い潜り逃走を続けていた。ある日、彼らは潜入捜査官の1人、芹沢（せりざわ）を捕らえ、彼を辱めたのち手錠を掛けて秩父の山奥に放置させる。一仕事を終えた後に空き家で寛いでいた強盗団は、タスクフォースたちに襲撃された。リーダーは焙烙大輔だった。　　

　憲二と順子は逮捕され、憲一と智子も銃弾を受けるが、辛くも武田と共に逃走する。隠れ家を求めて憲一と智子は、強盗団の中で唯一身元が判明していない武田信夫の父親である武田寅行（たけだとらゆき）の民宿を訪ねる。宿は飯能（はんのう）にあり、一行はそこで傷が癒えるまで潜伏することになった。

　寅行の民宿で束の間の安息を楽しむ憲一と智子。2人はここで初めて情を交わす。一方その頃、警察に拘留中の順子は、復讐に燃える芹沢に言葉巧みに誘導尋問され、武田信夫の本名を喋ってしまう。信夫は松田裕次郎（まつだゆうじろう）という偽名を使っていた。

　また、憲一と智子を匿う寅行も内心は2人のことを快く思わず、子供可愛さに警察と司法取引を交わす。

　怪我から回復した後、買い物をするため隠れ家から出てきた憲一と智子は、待ち伏せしていた芹沢たちの一斉射撃を浴びて絶命するのだった。

　思えば今日は17日だった。

　芹沢の正体は甘粕智也だった。

　12月21日

　📰本田技研工業が「モビリオ」を発売（6月に発売された「フィット」をベースとしたコンパクトミニバン）。

　12月22日

　📰九州南西海域工作船事件発生。

　12月25日

　📰トヨタ自動車が「プレミオ」/「アリオン」を発売（「コロナ」/「カリーナ」の後継車）。

　クリスマスか。智也は久しぶりに浦和にやって来た。夜更けの街を歩く。ジングルベルが鳴り響き、クリスマスツリーが煌めいている。🎄

　粉雪が舞っていた。

「今年もそろそろ終わりだな?」

「お父さん!」

　英太の声が聞こえた気がした。

　街の中を見回した。木枯らしがヒューッ吹き、落ち葉が風に弄ばれた。🍂

　横断歩道の向こうにニット帽の青年が立っていた。

「英太!」

　🚦歩行者信号がチカチカ点滅しはじめる。

　智也は迷わず走り出した。