概要
誰の目にも触れなかった過去の俺ごときに、今の俺の何がわかるというのだ?
【へえー、そうなんだあ。本も面白いの? 女が訊ねる。すると男は、「いや、知らない。映画しか観てねえもん。まあ、そこそこ面白いんじゃね? 百円だし買ってみれば?」そうして二人はけらけらと笑いながらその場を後にする。ふざけんな、読んでもいないくせに「そこそこ面白い」とか言ってんじゃねえよ。男女の背をぼんやりと見送りながら俺は言葉を飲み込んだ。】
華々しいデビューを飾った小説家が「書く」を諦めるまでの話です。
華々しいデビューを飾った小説家が「書く」を諦めるまでの話です。
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