(四)-5(完)

 僕はベッドの上に寝ていた。でも自宅のベッドとは違っていた。まるで医療用MRI装置のベッドのようだった。

 僕は首を横に向けてみた。顔のすぐ横が装置の壁面になっていた。そしてそこは鏡面のようにぴかぴかしていた。自分の姿を見ることができた。僕の頭にはヘッドギアが乗っていた。そのヘッドギアからはたくさんのケーブルやコードが装置とつながっていた。そしてヘッドギアのおでこのあたりに文字が印字されていた。『モンスーン・ラーニング・システム』と。

「では、お休み」

 博士がそう言って、装置のどこかに付いているボタンを押した。装置は急に静かになっていった。装置の電源が切られたのだろう。

 そして次の瞬間、目の前が真っ暗になった。


(了)

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魂の間合い 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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