(四)-4

 二人の女性はそう話をしていた。

 『モンスーン』というのはディープラーニングをさらに進化させたストーム・ラーニングやコンプレックス・ラーニングと呼ばれるAIの機械学習の手法を取り入れて開発された、嵐の気象の名を冠した最新型の機械学習システムのことだ。主にAI開発に用いられている。

 僕は学校へ行っていたが、利用していたシステムは『モンスーン』ではなく『ミチザネ』ではなかったか。

「ここはどこ? 学校?」

 僕は聞いてみた。

「ここは研究所よ。ちょっとテストを手伝ってもらうけど、いいかな」

 博士と呼ばれた女性が言った。

「はい」

「よし、じゃあ、とりあえず、休んでいようか。テストまでまだ時間があるからね」


(続く)

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