概要
その雫は、今日も私の空腹を埋める
わずかな日常の中で、狂わないように頑張っている遠い未来の話。
第三回こむら川小説大賞参加作品。
第三回こむら川小説大賞参加作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私たちが人であることを担保しているのは何か
サイバネティクス技術の発達した未来、体の構成要素のほとんどを人工物に置き換えた人の、とある日々の習慣のお話。
タグにある通りのサイバーパンクSFです。退廃した未来の世界、どちらかと言えば生きるための必要に迫られて身体の機械化を進めた主人公の、とある一日を描いた物語。
この主人公の造形を初めとして、世界そのものありようやその実際など、細かく組み上げられた設定にまず驚かされます。登場するもの、目に映るものすべてに説明が必要な(=現実世界のそれとは異なる)世界。それを読者にわからせる手腕の見事さに加え、この世界そのものの密度にクラクラします。心地よく浸れる感じ。SFに求める楽しみのひとつ。
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