憂鬱な明朝

目を閉じると海がある。それはあまりにも無責任な海。海の魚たちが口々に言うそれもまた無責任な言葉。無責任な海から出てまたネットの浅瀬をちょっと泳げば無責任な言葉。それに苦しめられる僕と同じ人。薬は切れている。アイマスクに手を伸ばして目を覆う。また海に溺れる。苦しい。こんな人生だ、死にたくもなる。このままずっと苦しめられて生きていくのかと思うと寒気がする。たいしてカッコよくもない肩書をもらって、好奇の目にさらされて、よくわからない大人の人が僕を見えない檻に閉じ込めてくる。こう書くとちょっとクサいがマジで檻に閉じ込めてくるのだ。うざったいと思っても口に出してはいけない。理由は知らない。暗黙のルールだ。でもきっとルールがあるんだろうな、僕の頭が弱いだけで。やだなあ。いや知ってたけど。五日分の疲れがたったの二日で取れるとか言い出したやつは誰なんだろうか。今すぐ殺したい。殺したところで特に何にもならないが。あーもう全部やだ

大したことないよくあることを脳みその中でこねくり回していたら小鳥の鳴く声がした。太陽が元気に上がってきたらしい。あーあ。月曜日だ。月曜日になると脳内警報が勝手にビービー喚きだす。もう通常通りの生活リズムではないのにも関わらず、警報だけは変わらずに永久に動く。なんなんだろうなあ、ホント。起き上がろうとして腕に力が入らず崩れ落ちる。マットレスが軋んで少しだけ体が弾む。最高に自殺日和だ。でも死ぬ気力はない。下の階で親や弟が遅刻だ遅刻だと騒ぎ出した。今日も生きるしかないらしい。首が痛む。ずるずると布団から出て、僕は部屋のドアを開けた。

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短い話 睡眠騎士 @night_knight

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