短い話
睡眠騎士
溺愛対象
僕のお兄ちゃんはひどく優しい。
虫も殺せないほどに優しくて、全てを受け入れてくれる。
もちろん僕の愛も例外ではない。
僕はお兄ちゃんを溺愛している。
お兄ちゃんはそれを甘んじて受け入れてくれる。
純情とは言い難いこのひねくれた愛を喜んで受け取ってくれる。
僕の
____嗚呼、本当に愛おしい。
純真無垢な水色の瞳が僕を覗く。
まるでその様子が小動物のようで僕は赤色の目を細める。
全てが正反対な僕らを世の中は受け入れない。
なんでだろうねお兄ちゃん。
...そもそも、お兄ちゃんのことを理解するなんてしなくていいんだけど。
お兄ちゃんを理解しているのは僕だけでいい。
誰にも理解されたくない。
誰にも奪われたくない。
お兄ちゃんには指一本触れさせたくない。
僕の唯一の宝物は_____誰にも_____
________また首筋に痕をつけてしまった。
相変わらず僕は身勝手だ。
この前食べたお餅と同じ白い肌。
その中にぽつんとある赤い跡。
罪悪感はない。
これでお兄ちゃんは僕のものだと示せると思うとむしろ胸が高鳴る。
えへへ、お兄ちゃん。
もう、どこにもいかないよね…?
なんてね。
大好きだよ、おやすみ。
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