第十四回 そして、開いて!
――それは、人込み外れた場所から。店内からエスカレーターで降りた一階の……そのクリアーな自動ドアのある出入口。駐車場が隣接しているフロアーみたいな所。
その子……せっちゃんは、まず驚いた。
「あれれ?
と、いうことなの。……そうだったね、彼女は僕が一人っ子と思っていたから。僕もまたその頃は、双子の妹の存在を知らなかった頃だったから。話は長くなると思いつつも、
「双子の妹の
と、可愛さ満点の自己紹介を始めて……
「ちょっと千佳、
――で、
「まっ、そーゆーことだ」と、可奈はその子……せっちゃんと向かい合わせに立ち、両肩に手を置いて「あなたとは長い付き合いになりそうね。梨花は私の大切な子だから、これからは抜け駆けなしよ。私は
「
そして火花散らす展開へと……と、思いきや。
「ねえ、『せっちゃん』でいいのかな? 一緒に来る? 梨花のお家」
「うん! じゃあ、私は『可奈ちゃん』でいいのかな?」と、お互いがお互い、満面な笑顔で手を取り合う。すると太郎君は、……そう、何かを思い出したように、
「もしかして、あの日々野さん? 生徒会副会長の……俺、あっ、いや僕、来年度から後任になる
そして皆がビックリする。皆が皆……そう言われてみたら、太郎君も市立
それは、りかの宿題。 大創 淳 @jun-0824
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