結
…そして、僕はスマートフォン越しに文章を書き終えた。
頭の中を整理するための文章なのに、思ったよりも感情的な面が出てしまったことは否めない…でも、これを書くことで僕の決意が固まったことは確かだ。
この日まで、僕はいくぶんか迷っていた。
果たして、仕事をしながら小説が書けるのか。
いや、今までの経験を生かして小説を書いていけるのか。
その答えはわからない。
…でも、少なくともやってみなければわからない。
今日は月曜日。
主任はいつもと変わらず仕事のメッセージを送ってくる。
今回は早朝出勤で、とあるショッピングモールの地下水槽を清掃するらしい。
なんでも、担当職員は食料や雑貨がもらい放題になるらしく、なるべく日持ちするものを選ぶようにという主任らしい追伸に僕は苦笑する。
…そう、自分のペースでいいのだ。
小説も焦らず少しずつ書いていく。
清掃員としても焦らず仕事をしていく。
それもひとえに主任から学んだものだ。
この仕事を続けていけばもっと多くのことを知ることができるはずだ。
多くのことを知って、それを小説に活かしていくこともできるはずだ。
僕は出勤時間が近づいていることを確認し、自室のドアを開ける。
社宅の向かいにある、どこにでもあるような物流会社のビル。
僕は白い月に照らされたビルを見上げると、自分の将来のため、奇妙な会社の清掃員として業務に当たるため、自ら歩き始めてみることにした…
Clean・up 化野生姜 @kano-syouga
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