哀切という言葉が最も似合う

 静かで幻想的な文体は、間違いなく童話に相応しい。
 しかし物語が内に秘めた“何か”は──哀しく、切ない。少なくとも私にはそう感じられた。
 不思議な読了感を得られる良作である。