南宋のきらめき

南宋〜元についてはまるで勉強が進んでおらず、南宋側の人物ははじめましてな方が多かったのです。けれど、そこにうまく三国志の故事を配してくださることで、取り付く島を与え、そのまま物語に連れて行ってくれる。なるほど、と思いました。

南宋と言えば最終的に元に飲み込まれるしかなく、ここで孟珙が取り返した襄陽も、最終的には元に陥落させられるさだめ。そういう残酷なネタバレが未来には待ち受けているわけですが、とは言え襄陽の奪還は宋人の心を大いに震わせたであろうこと、想像に難くありません。こういったきらめきを見せた人物を教えてくださったこと、ありがたい限りです。

そして、この物語が元寇の壮大なプロローグともなるのですよね。歴史の連鎖、やはり凄まじいな、と思うのでした。

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