科学少女、化学少年と新春青春春菊ショー
naka-motoo
すき焼きに春菊は欠かせない
一人の科学者あり。
高校を出たなり地元の小さな企業に就職した。
学士も無ければ博士もない。
だからどうしたこの野郎。
「
「ひとつ、山を起伏と見ず」
ふたつ、日を天体と見ず。
みっつ、月を光と見ず。
よっつ、災害を物理現象と捉えず。
すべて神仏の精緻な計算と自覚する。
科学が人類を救うなどとうぬぼれず。
『科学者に敬意を』などという勘違いをせず。
むしろ本当に敬意を払われるべきは自然を天与と自覚し。
災害すらその関係性を自分たちの心の正誤に見出す。
自己が助けたい誰かでなく嫌いであろうとも救うべきもののために働くひとたち。
あたかも医療現場の人々のような。
現場の人間ならば知るだろう。
「寿命」というものを。
「天寿」というものを。
有無言わさずそうせざるを得ない者を評価する経営者を。
そして、科学でも学術でもなく神仏にそのまま感服する者がホンモノのイノベーションを為す。
本当に世を救うのならば原点あるいは根本原因に立ち返られねば。
『根本原因』を否定して数名の贔屓する祖先の守護霊程度の存在によってもたらされる『運』程度のものだとしたら本人が自己実現して終わり。
あるいは矮小な身内の自慢で終わり。
「以上のようなものです、ヘッド。それからこれはわたしの信条ではありません。普遍的な『事実』です」
「名矛亜ミーダ。更に自己分析を。それから自己紹介を」
「はい」
格言:自然には勝てない
性格:ホンキで純粋な故ヒステリック
嫌悪:冷静ぶる人間
専攻:神仏の実在証明
論文:「科学者の神格化の否定」
性別:女
年齢:24歳
経歴:
・県立高校卒業
・健康食品製造販売会社に就職
・当該企業が倒産
・古典的食材普及振興協会経理専門職員として採用
・古典的食材普及振興協会食品成分研究所に配置換え
・古典的食材普及振興協会食品成分研究所研究員に職種転換
・古典的食材普及振興協会食品成分研究所主席研究員に就任
研究成果:
・手作り食材による免疫力増強効果測定
・愛情弁当摂取者の疾病・事故・犯罪・災害時における致死率減免効果
・食品と食品以外の『神仏の手』が加わった物品、思考、ビジネススキーム、経済学、政治学等が真に世を救う主体となるべきものという研究分野横断的な研究
・物理現象の真の原因究明(ex:ご神木を切り倒したこと等)
・天寿の再考(ピンピンコロリ)。天寿とは決して『健康寿命』でも『一億総活躍』でもない。
・老衰、認知症、隠居のプロセス再考
・これらのことは職種・人種・性別・容姿、あらゆることに拘らず普遍。『努力したから報われる』などという部分的な表面の話ではなく。
・『思考の飛躍』の裏にあるのは人間が計測・計算不可能なもの。それを理解しないと退化あるのみ。
・偉大な学者・政治家であった菅原道真公が天神さまという神様におなりになられたのは、『赤心、真心、忠義、誠実』といったありとある素晴らしきご努力によるものであって、そういう存在こそがホンモノの『科学者』である。
「以上です」
科学少女、化学少年と新春青春春菊ショー naka-motoo @naka-motoo
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