第142話 第五章 『みせてやろう! おしかけ彼女の本気というヤツをな』(7)

 ◇◇

 翌日。

 今日も俺は教授のアシスタントを務めながら、イルミナティ対策を考えている。

 そして、

 セクメトナーメンに護衛されながら大学から戻ると、クレオが外出着に着替えている。

 あれ?と思う間もなく、セクメトナーメンと選手交代。

 近所のスーパーに連れていかれ、買い物が始まった。どうやら我が家の食材が尽きるらしい。


「今週の献立を考えたんだ。今後はそなたの栄養バランスも考えて、妾に献立と調理自体を任せて欲しいのだが、どうだろうか?」

 お? なんか気合入っている・・・。


「それから、出来れば夜食のカップラーメンとかもやめて欲しい」

「えっと・・・どした? なんかいろいろ急に」

 ここまでは毅然と言い放っていたクレオも、急に赤くなってちょっと俯く。

「いや、その、やはり彼氏の健康管理は・・・カノジョの神聖な務めであろう? そうしないと・・・その・・・『嫁』に昇格出来ないからな・・・」

 嫁!っていうか、昇格って・・・またなんか誤情報拾ったな?


 そ、そういえば!

 先日急に・・・いい・・・雰囲気になっていた・・・よな?

 ・・・もしかして、それが何か関係しているのかな?


 とかナントカ、アタマの中で妄想を巡らそうとしていると、

「ハチ、気分でも悪いのか?」

「はえ? ああ! いやなんでもない! ちょっと作戦のことで悩んでいて」

「嘘だな」

「ぐぐ・・・なぜ、そう思うんだよ?」

「何を言っているのだ? そんなの、そなたの表情を見ればわかるぞ?」


 ・・・面と向かってマジに言われると・・・めっちゃ恥ずかしいな。


 その後も、買おうとする食材の鮮度をチェックしたり、値段をチェックしたり、合計金額まで制限値を設けている。

 しっかりしてるぜ・・・もはや、俺の買い物のほうが遥かにザルだな。


 次に市場に行って、日用品や消耗品の調達。

 これもお目当ての品をすぐには買わずに、複数店舗を回って価格を比較してる!

 ・・・完全に主婦モードだ。


 うれしいような怖いような・・・これからは、全く無駄遣い出来なくなりそうだ。


 そんな感じで、広大な市場の中をぐるぐる回っている最中も、途中で腕を組んできたり、そのまま胸を密着させてきたり。


 アプローチが過激化している!


 腕を組むだけでもクレオ自身の香りが漂ってきて、俺は眩暈で倒れるかと思ったよ。

 ・・・市場で買い物が終了したときには、へとへとになった。

 あちこちの店を巡って、いつもの三倍ほど歩いたせいなのか、彼女の色香にアテられたせいなのか、もはや俺にも分からなくなっていたが。

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おしかけ彼女がクレオパトラって本当ですか? 如月瑞希 @femalecode

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