このアンドロイドは夢を見そう

筆者初の空戦もの(漏れてたらすみません)。
架空の世界なのか、少し先の未来の話なのか、作中で多くは語られないものの、おそらく精巧なアンドロイドは既に実用化されており、この度戦闘機パイロットとしても導入が試みられる、と言ったところだろうか。
筆者が得意とする登場人物同士の軽妙なやり取りは健在で、戦時下で常に臨戦態勢にある前線に近い基地という緊張感を和らげている。
本作の主眼は恐らく二人の機人の心の交流、葛藤であり、精巧なアンドロイドが人間を脅かすかもしれないという、SFで語られがちなテーマは薄い。しかし最終的にエイトの”人間臭さ”がかなり露見することで、本作で描かれたテーマとは違った軸で物語を発展させる要素も持っていると感じる。
個人的には模擬戦の描写が少し(量的な意味で)物足りなかったので残念。