光、匂い、想い

万華鏡を思わせるガラスの筒から溢れる色彩。
影も形もない、匂いだけを纏う客人。
五感に訴えかける表現で描かれる、案内人ベリテと案内所のひととき。

案内人のお仕事の基本的な流れが描写され、そのお仕事でいつもと違う出来事が起き、最後に種明かしがある。そういう意味では、その意味を広く取ると、ミステリーのようなつくりにもなっている。
それまでに提示されたものを使って出来事の解決をはかる点でも、すっきりと納得がいく。それが案内人自身の物語につながっていくところも含めて、素敵な物語だと思います。