武蔵野という土地で、見つからない海を見つける

海というのは普遍的な心象風景ではある。
でも、『武蔵野の海』では武蔵野という土地固有の事情をふまえて、その上で想像の「海」を描いている。東京に詳しくない私でも、武蔵野というまちを歩いてみたいと思える。そんな文章になっている。

特に、欄干を港の灯に見立てたるくだりから始まる、光や闇に関する描写が好きでした。

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