動乱の時代にありし、陰謀と人情

前九年の役。後三年の役と共に奥州の十二年間の戦乱である。
時は平安後期、平安という名でありながらも、決して平安ではなかった時代である。
戦に関わらずに生きることはできず、男も女も、そして子供も戦に臨む。けっして戦地で戦うことだけが戦ではなく、逃げること、生き延びることもまた、彼らにとっての戦である。
そこにいる人々の心情の描き方もまた秀逸であり、悲惨な部分のみではなく、切ない慕情やささやかな日常もまた描かれている。
天人とは羽衣を返せばその手からすり抜けて消えてしまうものである。
彼らの結末を、見届けて欲しい。
ぜひご一読ください。

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