設定はなかなか珍しいもので、宮廷司書という立場や天使を分類の基準に使うなど類する作品を私は寡聞にして知らないものであった。しかし一方でこの設定が活かせているかといえばやや微妙な所である。
確かにストーリー展開としては十分なように感じるが、キャラクターの振舞いが結局他の類する作品と同じパワー系なのが勿体無い。ただし天使を分類に用いる事で能力の性質を察せるのでその点は成功していると思う。
作品自体はと言えばややテンポが悪いように感じるが、かと言って冗長という訳でなく必要な要素を上手く構成して言った結果のものだと分かる。
私は主人公やその仲間に不快感を覚えるかどうかで作品を判断してしまうきらいがある。その点この作品はどうかと言えば、前述したパワー系の振舞い以外はスッキリと読めるもので邪魔になることはないと言える。
キャラクターが魅力的か否かは未だ背景の掘り下げがほとんど無いので判断出来ないが、現段階では端的に言って好きである。
是非一読してみてほしい。
魔導書の使用、主人公が司書である設定などは某なろうなどで最近よく見られる異世界ものとは違い、興味をひかれた。ただ、成り行きで主人公に救われた少女が主人公に惚れる部分は、まだ物語序盤であり、読み手のキャラクターへの理解度が低い段階では、物語内の人物関係と読んだ時の人物関係の深さの差を生み出す原因となる為、少し微妙であると感じた。とはいえ、まだ物語は序盤であり、ここからの展開次第ではその部分がかえって良い効果を出すこともあると思うので、今後に期待したい。筆者の文章力に関しては、細かい描写が苦手な人は適度に読み飛ばせばいいと思う程度で、特に違和感は感じなかった。
最後になりましたが、これからも応援しています。