六頁目 「精神病院」

「あ、あの……」

「あ、はい。こちら側は、もう、あなたの情報を把握してますよ。電話でお伝えしてくださいましたよね?」

「は、はい。そうです……」

「なるほど……となれば、診察内容は、

発狂、それから……目眩。いや、まず先に、そのお腹からですね。こちらも、電話で、ね?そうでしたよね?」

「は、はい……」

「で、ドッペルゲンガーですか……」

「はい……そういうのが好きな友達がいまして、その友達から聞いたものと一致してると思って……」

「な、なるほど……まぁ、とりあえずですね。お腹を先に治しますので、そこで横に

なってて下さい。もし、もっと深くまで刺

さってたら、本格的な治療が必要になりますが、この状態なら、簡易的な治療で済ませます」

「そ、そうですか……」




「はい。治りましたよ」

「あ、ありがとうございます……」

「で、ですがねー目眩と発狂に関しては、こちらでははっきりとしないので、精神病院を案内しますね。もしかしたら、電話でも仰っていましたが、心霊現象なんじゃないですかねーそれが精神と……」

「そ、そうですね……関係ありそうです

よね……」

こうして、わたしは、精神病院に行くことに。

「ああ。あなただね。話は聞いているよ。

目眩と発狂か……そして、心霊現象……

そうだね……もしかしたら、心霊現象の影響を受けて、自律神経失調症になっちゃったかもしれないねー」

「じ、自律神経失調症ですか……」

「ええ。まぁ、病名通りなんだけどね。自律神経機能の失調によると思われる病態の総称のことを言うんだ。それで、ね。自律神経失調症には、二つの特徴があって、片方は少ないんだけど、もう片方は多いんだよ。あなたの場合だと、多い方のやつになるねーつまりね。あなたの目眩というのは、自律神経失調症からきてる可能性が高いということ。自律神経失調症の特徴が二つあるって言ったよね?その多い方に、目眩が含まれているんだ。だからね。何が言いたいかと言うと、

入院してもらうよ、ということ。このまま、あなたが自律神経失調症を患ったまま生きていたら、目眩だけではないことがあなたの身に起こるかもしれない」

「わ、分かりました……」

わたしは急に、入院することになり、実際に今、入院してるけど、みゆっちが色々と助けてくれるから、入院生活は厳しくないかな。

今日は、あの時の診断から数え2回目の診断。

「あなた。ここに来る前に、ある病院に行ってたでしょ?そこの先生から、あなたの情報の一つとして、子どもに必要以上に恐怖を抱くということを教えてもらったんだけど、

そうなの?」

「はい。電話で、確か言いました」

「そうか。それはね。ぺドフォビアと言うんだ。となれば、あなたは自律神経失調症だけではないということになるねーそうなったら、ね。少し入院期間を増やさないといけないかもしれないな〜」

わたしは別に、「そうですか〜」とか「そらはちょっと……」とか言ってはないけど、なんか、入院期間が増えてて、ビックリしてる。まぁ、あの話からしたら、こうなるのも分かるけど、あの時、わたし、何も返事してないからさ。え?って感じだけど……あ、そうか。

言わなかったから、先生は「分かったということかな」みたいに思ったのか。じゃあ、

しょうがないか……じゃ、じゃあ、あの時、何かしたら返事してたら……あ〜あ。なんか、心霊現象が起きてから、発狂、目眩。そして、こういう入院生活。更には、じ、じりつーあ!自律神経失調症か。それと……

う〜ん、なんかカタカナだった気がする……あ!ぺドフォビアだ!それも……で、色々と悪いことが起きてる気がする。もう、わたし、死んだ方が良いかな?今、こういう状態ということは、死んだら幸せかな?楽になれるのかな?目眩ないかな?ないか。死ぬんだし……ははは。死んだら、これは最後の笑いになるのかな……

ここか。はぁ〜風が気持ちぃ〜ずっとあの部屋にいるのは辛いな〜この屋上だったら、飛び降りて死ねる。よし。みゆっち、バイバイ。

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ある保育士の手記 亞讍 @arahara07

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