36 精霊とつるはし②
こんなにうち4人はテーブルを囲んで座った。 アミールは私にすべてのことを説明してくれた。 契約、 それは精霊、 エルフ、 ドラゴンなど多くの存在と契約を結ぶことができるとした。 しかし、 契約の条件は、 他でもなく契約相手が人間でなければならないということだ。
人間と人間はお互いに契約が成立せず、 人間と他の種族のみ可能だ。そして人間とピュラが共有を可能な種族だけが可能だとアミールは言った。 アミールはエゴソードの正体を知っていたかエゴソードの情報も詳しく説明してくれた。
エゴソード。それは神たちの兵器と呼ばれるほど平凡な種族は使用できないとした。 エゴソードを使うことができる存在の条件は意外に簡単だ。 純粋なピュラを共有してもらえる存在。
それだけだ。でも、 この条件が満たされる種族は人間の中でもたった一人だけだった。その人が今、 私たちが所属しているワイルドセブンのギルドを引退した人だ。
しかしながら、 いくら契約が成立したとしても、 いずれも共通点が存在する。 それはまさに正しいピュラの使い方。 すべての生物には体の中にピュラが存在するという。 これはゲームシステムで説明しようとするとマナと似ている。 ピュラがなければ動かない だけでなく、 生命が簡単に死ぬこともある。
ピュラは2種類が存在する。
一つはさっき説明した個人の体に流れているピュラ。 そしてもう一つはリュウマが存在する。 リュウマは契約者たちが使用するピュラに似た原理のオラだ。
例えば、 AとBがあると仮定してみよう。 AとBが互いに契約を結んだ状態。 そしてAが契約者であり、 Bがピュラを供給する使役馬だと想定した時。 Aは自然にBが供給してくれるピュラを体内に吸収するようになっている。
しかし、 もし、 そんなことが起こるようになるとAには大きなダメージを受けることになる。 Aの体に流れるピュラエBが供給してくれるBのピュラがAの体内に入った瞬間、 AとBのピュラが拒否反応を起こすようになり、 結局Aは体から拒否反応によって、 急激な疲労症状と寿命が減ることになる。
それで今まで私がエストを使用した後から疲労症状によって苦労したのもまさにその理由だったのだ。
それで多くの契約者たちがこれを防止するため、 リュウマというものを作りだした。 リュウマは契約者が使役馬のピュラを吸収せずに、 使役馬のピュラを利用して契約者の体全体を鎧のようにめぐらしている方式の技術だ。
そうなれば、 契約者は被害を受けずに使役馬のピュラを自由に使用が可能になる。
しかし、 この技術を学ぶためには乗って種族と契約を締結しなければならないのに、 ハイカル大陸でも契約を結んだ人間は上位ランクA~Sランクの中でも何人しかいないと伝えられている。
「初耳だよ…」
本当に初めて聞く情報だった。
アミールはうなずいて発言を続けた。
「そう! そして契約者と使役馬が互いに心が通じなければ能力を100%引き上げることができない。 言い換えれば、 「シンクロ」は不可能ってことだよ」
「…シンクロ?」
「そう、 シンクロという能力は基本中の基本! 契約者と使役馬が一つになるためにはシンクロが必要だ」
私はアミールの言葉を聞いて私の隣に座っているエストを眺めた。 エストは依然として頭を下げて憂鬱な表情だった。
「シンクロはどうやって使うの?」
僕はアミールを見ながら、 真剣な表情で聞いて。 すると、 アミールは腰に手を置いて堂々と話した。
「私も知らない!」
「…はあ?」
私は堂々と話すアミルの言葉に困惑した表情で首をかしげて、 アミールは再び堂々とした口調で話した。
「だって、 私も初めての契約だから! 当然知らない!」
「……」
期待した私がばかだった。
説明はすべてのことを知っているというように言っておきながら、 結局は「私も知らないよ!」を詠唱しながら頭をくるりと回してしまうアミール。 私は呆然とした表情でアミールを眺めた。 アミールは、 そんな私の視線をそらして、 かわいらしく頬を膨らませながら両足をばたつかせた。
「ふん、 私も初めて契約が初めてなのに! 私にあまり期待するな!」
あ、 そうだ。こいつ、 私が最初の契約だよね?
とても博識に情報を知っているので、 今まで契約した経験がなかったということをしばらく忘れていた。 アミールも初心者であるのに私があまりにも頼りすぎたようだ。
それでも、 アミールのために、 多くの情報を得られた。 私がこれまでエストの力を十分に使えなかったのは、 「シンクロ」の能力と、 「リュウマ」という能力がなかったためだということをはっきり分かるようになった。
もし、 その能力を学ぶことさえできるなら。 この前のようにランと決闘した時のように、 その力を使えるのかな?
「だ、 だめ! ハルまだそんな能力を使えば…」
エストは不安感が満ちた目でアミールを見て言ったが、 私はそんなエストの反応に首をかしげた。 エストのこのような姿、 これまで初めて見るようだった。 アミールはそんなエストの反応に落ち着いた表情で「ふむ…」と言いながら、 指でテーブルをたたいた。
「どうして、 使ってはいけないの?」
再び、 アミールとエストの話が始まった矢先、 私の肩で重くても見慣れた感じがした。
何だ?この見慣れた感じは…
なんだか不吉な感じがし、 首をゆっくり回して肩に視線を向けた。そこには案の定、 ヒカリ私の肩にもたれて幸せそうに寝ていた。
「すやすや…」
…またお前か!
私は私の肩に頼り、 寝ているヒカリを荒唐無稽な表情で眺めながら「起きて!」と叫びながら起こしたかったけど、 アミールとエストの対話を妨害することができなかったので、 そのまま黙っていることにした。
おかげで、 私の肩はヒカリのよだれで湿ってきた。
…汚い!
『つるはし勇者』~ 最下位の武器で最上位の勇者になりたい! Lakers @lakers
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