第2話  霞碧殿下の悩み事

おかしい。最近どうもおかしいのだ。

いや自分でも何がだよってなるんだが。


「最近なんかおかしくないか?」

とりあえず側近に聞いてみる。毎度お馴染みの(?)あの変な部下だ。(嶽)


「はい?何がおかしいんですか?頭に毒でも回りました?」

…うわこいつに聞くんじゃなかった。


「いや何でもないやっぱいい」


いや、なんでもなくはないんだが。なんかこう、言葉で言い表せないような?違和感?

…って、言い表せてるだろ。

何がおかしいんだ。


「ハイト卿、皇后陛下がお呼びです。」

見たことねぇ侍女だなぁハイト卿って誰だよ

(理性の壁崩壊寸前)


「ハイト卿?…あ、悪いすぐに行くと伝えてくれ。」


「御意」


…あっぶねぇーハイト卿って自分のことか!

誰かと思ったぜ!…にしてもハイト卿って気に合ねぇなぁ。(彼女は動揺してキャラ崩壊を起こしています。)


「皇后陛下にご挨拶申し上げ…」


「そんなかたっくるしい挨拶はやめじゃ。

それより早くこっちへ来い。一緒に茶を飲もう。」

この方は帝国の皇后陛下。つまりあのポンコツ玲月の妻なんだけど…この方がまぁまた変わった人でして。

薬や毒にめちゃ詳しい。

無自覚にパラレルワールドしちゃってる(?)。

演技くそ上手い。つい最近まで私と一緒に皇帝に気に入られている馬鹿娘を演じていた。

(潜入捜査時)



「うわぁ相変わらずだね、胡蘭様。」


「ん?胡蘭様?…あっはっはっはっ!様付けなんぞせんでも良いだろう?改心したのか?」


「…それ私に改心しろと言っているのか。」


「ほぅ…この私にそのような口を聞くとは思わなかったよ。」

…スイッチを入れてしまった。

因みに今のは腹黒上位騎士の演技。


「…らしくないです。やめましょうこんなの。本題に入ってください。」


「つまらん女だ。妾は愛しのリアに毒を食んでもらおうと思っただけ故にそう怒るな。」


「えっ…何?牛黄?トリカブト?彼岸花?」

はたから見たら異様な光景であろう。

リアは私の二次氏名の愛称ね。知ってると思うけど。


「…全く、忙しいやつだなぁ。」



この後3時間ほど皇后に付き合わされ土産にトリカブトを貰ったとか貰ってないとか。


時刻は午前3時。


「ハイト卿、スカラーの輩を討伐するようにと指令が入りました!」

お、珍しく恵琳じゃん。あの変人はくたばったのかね〜


「把握。すぐに向かおう。…ん?指令、…ああ⁈それだよそれそれ!最近どうもおかしいと思ったら…仕事がなかったんだ!」


なんてブラックな悩み事だろう、と胡蘭皇后は笑ったそうだ。

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名家に生まれたからって…の番外編 碧莉亜 @kanan0116

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