<急> 妖精の騎士・下
セリスは貴族であるが、
そして騎士であると同時に、俺達を封印した魔道士の血統でもある。
故に、その魔力の潜在量は凄まじい。
気を失いながらも、なおセリスは苦しんでいる。
今、セリスは自身が持つ以上の力を強引に引っ張り出されている。
それは生命力を魔素に変換しているのに近い。
酷使されれば、いずれは死に至る。不死身でない限り。
「独リデハ何モ出来ナイ。人ナド所詮コノ程度。
――
「独りでは、ないであろうに――。
ミイアは同調し、俺と同じ呪文を同期させ唱える。
――
――
…………
…………
「「
「「
「「
だがしかし、
俺とミイア、二人の想いがのった
魔族は簡単に凍り付く。
焼けていた筈の森は、辺り一面、氷の世界へと変る。
気が付くと、夜は明けている。森の火が消えた後も、視界は良好だ。
セリスは衝撃で身を投げ出されており、無事だった。
ミイアは
「セリスを救うのか? それとも復讐すべき相手だと知り、救わぬのか?」
「救う」
「ならば、復讐は止めるのか?」
「いや、止めはしないさ。
だが復讐相手が居なくなっては困る。だから助けに行くのだ」
「なんともアホな理由じゃの……」
「あら、でもそういう所がアルドさまらしくて素敵なのですよね?」
ラピスだった。あらかたの敵を倒したのであろう。人の姿で舞い戻ってきていた。
〝 メキリッ 〟
「さあ、
「そうだな。決着の時だ」
≪
――
「「
まずは、
これでセリスからの魔力供給は無くなった。
「独りでは何も出来ない。そんな
――
「ヤ……ヤメロォォォォォオ」
「いや、何も聞こえん」
俺は
…………
「「
灰となり、散り、
「これが本物の
ミイアが後ろから抱き付いてくる。
「終わったのう」
「ああ……」
「何じゃ、
「人間の魔道士をそそのかし、ミイを封印した現・魔王への……か?」
ミイアは背中で、もぞもぞと告げる。
「それを知ったか。
「俺の復讐は叶わなかった……。が、こうしてお前やラピスと旅が出来た」
ラピスがその言葉に反応し、直ぐ近くへとやって来る。
「アルド……様?」
俺の発言に驚いた為か、ミイアがゆっくりと背中から離れる。
「なんじゃ? ……突然に」
「その、なんだ……。ミイア……。討伐済みでないと良いな」
ミイアの顔を見ずに、俺は告げた。
= 完 =
「封印されし不死の勇者」 中二病魔法バトル❌現地ファンタジー すめらぎ @isekaigm
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます