前世と現世が絡み合い戦国要素が投入されると恋愛はこうなるらしい


 京都に暮らす女子大生の雪深は、鴨川でイケメンだがおかしな外人に出会う。そして、その外人、雪深の前世とかかわりのある人物であるらしいのだが、前世の記憶がない雪深にはぴんとこない。が、ちょっとおかしな外人はぐいぐいと雪深に迫ってきて……。

 前世でかかわりのある男女数名が、現世と前世のしがらみに縛られながらも、すったもんだするストーリー。いきなり前世のキャラクターが出てきたり、戦国の場面がフラッシュバックしてきたり、それが京都の街とリンクしていて何やら新しいジャンルの恋愛小説が出てきた印象です。

 観光地としても素晴らしい京都の街の風景や名所、小物やアクセサリー、詳細に描かれた戦国風景、そして前世と現世を巻き込んで絡み合う人間関係。妙にリアるで生々しい展開も多いのですが、べたべた甘々の恋愛小説にはならず、まるで大河ドラマのようなどろろどろバチバチの恋愛小説。
 作者が趣味全開で邁進したような部分もありますが、そのぶん勢いがすごい。あれよあれよと展開する、現実ではありえない恋愛模様。恋愛要素は少なめかも知れないです。そしてピンポイントで詳細に語られる歴史の一場面。

 個人的には戦国時代の場面が好きでした。

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