瓢箪からモンスター。


 金にがめつい商売人N氏。
 彼は魔法のようなセールストークで、安物を高値で買わせていた。
 そんな彼の言霊による力か、恐ろしいモンスターが誕生してしまい……



 取り扱っているテーマにもよるのか、海外の短編ホラーを思わせるような雰囲気。
 金稼ぎに貪欲だったN氏にふさわしい(が、若干の寂しさも残る)終わりも含め、ビターな作品です。

 何らかの作品というのは、作者だけでなく編集者(翻訳者)や売り手やレビュアーなど、多くの人の手を経ているんですよね。
 我々が読んでいる「不朽の」名作だって、作者が当初意図した内容とずれていることもザラなのです。
 そう考えると、N氏の「創造」も一概に否定できないのでしょう……