第6話 POWER

僕が目覚めると同時に周囲に旋風が巻き起こり、近くにいた小鬼ゴブリンが吹き飛びチリになって霧散する。

直後、僕は豚鬼オークに手の上で発生させたエネルギー球を飛ばした。

命中。

飛ばしたそれは破壊的な威力は持たなかったものの、豚鬼オークの注意を引くのには十分だった。

それなりに痛かったのか、豚鬼オークは怒り狂いこちらへ走り寄ってくる。

僕は叩きつけられた棍棒の一撃をガードし、カウンターの一撃を加える。

人間なら致命傷になるほどの傷だが、豚鬼オークにとってはそうでもなかったらしく、みるみるうちに修復していく。

振り下ろされた棍棒をバックステップでかわし、を開始する。

片手剣を持った右手にエネルギーが集中する。

そして切り上げる。

この位置からでは絶対に届かない。

だが、剣の先から出されたエネルギーはペンで文字を描いたようにその場に留まり、それを片手剣を軸にし、蹴り出す。

届かないと思っていた豚鬼オークは驚いた顔をし、ガードしようとしたが、もう遅い。

斬撃波は豚鬼オークにぶつかり、炸裂した。

閃光が途切れた時、そこに豚鬼オークの姿はなかった。

それを確認した時、僕は地面に倒れ込んでいた。

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