第5話 突然ノワカレ
訓練を終えた僕だちは、すっかり泥だらけになってしまった服を脱ぎ河原で洗濯や、行水をする。ちなみに、余談なのだが家に彼が残した洗濯機?なるものがあるがガタガタと音を鳴らすばかりで使い方はよく分かっていない
・・・恐らく、あれを使った方が数倍効率がいいと僕自信勝手に思っている。
「テト、テトー。コレ見てー!」
「んー、は?」
僕が振り向くとフェルは水をたっぷり吸った服を体にかざしながら、何故か平然とした顔でこちらを向いている。
しかし、ここで狼狽える僕ではない。
「ど、どうしたんだ?フェル」
若干声が震えた気がするが気のせいだ。気の所為にしといてください。ほんとに・・・
しかし、当の本人は自分のしでかしいる痴態を知らないのか、ピタリと体に服をくっつけている。要するに透けてて丸見えなので、やめて頂きたいのだ。
「んーとね、私の服がちょっとちっちゃくなっちゃったの。ほら、こことかちっちゃすぎてはみ出てるでしょ?」
なおも、近づきながらこちらに向けて身を寄せてくる。というか、そんなことで呼んだのか・・・
「ねぇ、テト今度さ・・・あれ?顔がすっごく赤いけど大丈夫?風邪でも引いちゃったの?」
何故、僕だけこんなに恥ずかしい思いをしなくてはいけないのだろうか・・・
だから、僕は指摘してあげることにした。
「フェル、あのな・・・」
「ん?どうしたの?」
「体が、全部透けてるからこっちにあまり寄らないでくれ、恥ずかしいんだ。」
「ほへー、体がすけ・・・え?」
この展開朝も見たな、でも朝より酷い気がする。なんて言うか、超高速で僕の頬にビンタが飛んでくる。あー、服も落としてるな。
滑らかな肢体と成長しきっていない。体が目に入る。
・・・殴られた僕は何故か意外と幸せだった
「テトの、ばかぁぁぁぁぁぁぁ!」
しばらくして僕は目が覚めたらしい。
どうやらここは自宅のベットではない。ならば、ここはどこか?
周囲の気配を探ると、こちらの部屋に向かって歩いてくる見知らぬ足音を聞いた。
(フェルではない?では、一体誰が?警戒しなくては。)
テトは、フェル以外の人と話したことも無く外の世界の人間のことを。害をもたらす存在として認識てしていた。
ギィという音ともに扉が開いていく。すると、警戒をする僕とぱちくりと瞬きをした。長い翡翠色の髪を後ろで結った少女と目があった。
その少女が、何か声を発そうとする。
僕はすかさず、身体強化魔法を使い。少女を床に押し付け、口を手で塞いだ。
「・・・ここは、何処で。お前は誰なんだ?答えなければ、殺す」
少女は、ヒィッとした声を出した後に目を潤ませはじめた。
すると、もう1人。部屋に入って来たのが見えた。
「チッ、ここから逃げなくては。」
「あ、まっ・・・」
後ろで呼び止める声が聞こえたが僕はお構い無しに部屋の窓から外へ飛び出して行った。
そこには、人、人、人と、たくさんの人が行き交っていた。
この都市の名は、「城塞都市ベルーガ」
この少年と居なくなってしまった少年を探し求めるあの少女と後にこの都市と深く関わることとなることは、まだ誰も知らないのであった。
狂乱ノセンジョウヘヨウコソ Yuno @MeltSweR
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。狂乱ノセンジョウヘヨウコソの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます