重さとスリルが同居する
濃密なダークファンタジー!
まず〈光/闇〉と〈太陽/月〉の
対比を骨組みに
自由や贖罪を問うテーマが芯で響きます。
二人の〝姉妹〟の
コントラストは造形が鮮烈で──
視点を切り替えるたびに
人物像の陰影が増す構成が巧み!
宗教権力と軍の思惑が絡む政治劇は
会話だけで緊張が立ちのぼり
世界観の厚みを自然に読者へ浸透させます。
儀式・騎士・魔術など定番の要素も
語彙選びと設定の整合で
〝既視感〟を越えてくるのが嬉しい作品です
アクションは体感的で
技や道具の理屈が示され説得力が高い一方
叙情的な独白が挟まることで
物語が単なるバトルに堕ちない!
章ごとの引きも絶妙で
頁を閉じる間もなく次を求めてしまうはず。
ダークでありながら優しさの余白があり
読むほどに〝光〟の意味が変わっていく⋯
続きが楽しみです!!!
まずほかの読者様にお伝えしたいのは、この物語がとにかく良質なファンタジー作品であるということです。
ファンタジーも細かく分類される昨今、この作品は個人的には『ダーク』ファンタジーに該当すると思いますが、この作品には『濃度の高い残虐描写』などは薄めに思います。なので、「過激すぎるダークファンタジーは苦手だけど、暗さの漂うファンタジーは好き!」という方も充分に楽しめるでしょう。
内容についてですが、自分のレビューでは、あえて触れないでおこうと思います!
なぜなら、まっさらな状態で読んでみていただきたい!からです。
1話1話の文章量もちょうどよく、文体も読みやすいため、ぐんぐんと作品に引き込まれていけるかと思います。ストーリーの展開力も高く、キャラ視点切り替えも上手くて飽きが来ないため、気持ちよく読み込めていけるでしょう。
最後になりますが。
タイトルが美しいですよね!美しいタイトルの作品に間違いはないと思います!
※読み合い企画からのレビューです
殺人者として拘置所に収監されていた主人公・カグヤは、聖女として異世界に召喚される
しかし、その場には、同時に召喚された双子の妹・テルサもいて──という導入から始まる本作品は、非常に奥深いダークファンタジーだ
光の極大魔力を持っていたテルサに対し、魔力鑑定水晶はカグヤになんの反応も示さない
それでも元の世界よりましだと安堵していたカグヤを襲ったのは、教会に所属する聖騎士たち
何故、彼らはそんな蛮行に及んだのか
それは実際に読んでもらえばわかるとして、本作品の長所は、その読みやすさに端を発する"状況の理解のしやすさ"だ
本作品には、"邪神の息吹"と呼ばれる瘴気、そして、その瘴気が生み出すアンデッドといった人類の敵が出てくる
だが、カグヤたちの本質的な敵は、アンデッドではなく教会そのもの──つまり人間だ
人間同士の諍いとなると、各人の立場によって物語が複雑化し、状況が把握しづらくなっていくものだが、本作品は違う
教会は、明確な悪そのものではなくとも、非常に不愉快な存在として描かれ、彼らの目的も非常にシンプル
つまり、金と権力である
ここまでわかりやすい敵も、そうはいない
そして、その教会に祭り上げられたテルサもまた、カグヤたちの大きな障害となるだろう
カグヤとテルサ
この二人の関係もまた、対照的で面白い
カグヤの運命は、そして、テルサの真意とは
是非一読し、その答えを確かめてほしい
姉妹で異世界転移を果たしてしまった双子を中心に描かれる、異世界ファンタジー作品です。
主人公は大罪を犯してしまった犯罪者。現実世界では投獄され、執行の時を待つばかりでした。
しかし、そんな折に行われたのが異世界召喚。
片割れと共に転移を果たした主人公は、流されるままに魔力鑑定を行いますが、分かったのは魔力が皆無であるということだけ。
召喚の目的であった聖女の任にも片割れが付き、一瞬でお役御免となってしまいます。
けれども、自由の身になったことには変わらない。新たな世界でひっそりと自由を楽しもうとした主人公。
しかし、片割れの悪意によって、見ず知らずの内に主人公の罪は世界に知らしめられてしまいました。
命を奪わんと迫る追手。彼女は新たな世界で生き残ることが出来るのか。
ぜひ読んでみてください。