恋する男女はとてもかわいい。とても、とてもかわいい。(かわいい)

 身分違いの恋というのは少女漫画の醍醐味だよなと僕は思っているのですが、これはまさしくそこをダイレクトに抉ってきた作品。特待生で頭の良い主人公の少女が、お金持ちのボンボンだけれど優秀な兄の陰に隠れてちょっと冴えない男の子に恋をするって感じ。
 こういう「私は彼の良いところを知っているの」的な男女の組み合わせはいいですよね。とてもいい。大好き。

 さらにそこに一部の上流階級しか住めない寮とか、そこに特例で主人公が入って急接近とか、ブラコン気味の兄貴がちょっかいかけてきてとか、色んなイベントや彼の過去に触れて、はわわどうしようどうしようって、もうなんか最高だよね。

 うん、こういうのアタイ大好き。

 って、おっさんなの内なる乙女が叫びそうになる作品でございます。

 すごくシンプルかつ丁寧に、少女漫画に読者が求める恋愛要素をなぞってくれているので、読んで損することはまずないんじゃないかな。こう、飛び抜けて奇抜に感じる要素はないけれど(いや、お相手の男の子が結構なオタクだったり陰キャだったりするのはありますけれど)、それを上回る安定感がある。

 安心してほっこりしたい&きゅんきゅんする少女小説を読みたい方には、ぜひおすすめという作品でございます。いいですよ。

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