第5話 日向 爽大 柚子 2

  それからも爽大は高校に毎日来て柚子の近くで勉強をする。日向も毎日高校にきて爽大の隣で勉強していた。

高校全員がセンターを受験する。明日となった。夕方に早めに帰る生徒達。3人で帰る。校庭で小さく円陣を組む。爽大が日向と手を合わせて柚子にも混ざるように合図する。柚子も加わる。

「明日の受験、いつもどーり力が発揮できて、自分にピッタリの大学に合格しますよーに!」

「オ__!!」3人手を合わせて離れる。


柚子が二人それぞれに封筒を渡す。二人直ぐに開いて中を見る。手作りのお守りが入っている。二人とも心を打たれる。

「えー。アリガトー!!」二人、うっかり惚れそうになる。日向が柚子のことをぎゅっと抱きしめる。

爽大が、急いで引き剥がす。

「コラー。何してんのさー」

日向が少し離れて、爽大もくるように場所を開ける。

「あ。爽ちゃんもやろー。ホラおいでー」

「ん」3人でムギュと抱き合った。

きっといつかこの日を懐かしく思い出すだろう。困難を友だちと乗り越えたなら。__そこには少年マンガっぽいなにかが?  あるといいね。努力とか、絆とか。

いまを生きてる。そんななにか。


辺りがすっかり暗くなる。星が瞬く。

 

  ©  石川 直生 2020.




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

キミとのなにか 石川 直生 @1shika07ok1

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ