第10話 書籍化狙うなら短期決戦
15カ月ぶりの更新……いや、書籍化に成功してない私言っても何の説得力も無いんですが、ちょっと近況ノートに書いたことをこちらでも書いておきます。多分、カクヨム作家にとっても興味深い話だと思いますので……
カクヨムがどういうサイトかと言えば、素人作家が作品を発表し、読者が面白そうなのを見つけて読むサイトなのですが、カクヨムを開設し運営している側からすれば将来金を産んでくれそうな作品や作家を探すためのサイトなわけです。コンテストなどのイベントも人気順のランキングを発表するのもそうした本にして売れる作品や作家を見つけるため……。
そうなると目立つ場所にはなるべく新しい作品を置きたい。サイトのトップページに一度に表示できる作品数は限られるわけですし、トップページの中でも閲覧者が見てくれる範囲は最初の一部分だけでスクロールして丁寧に最後まで熟読してくれる可能性なんてほとんどありません。人気の伸び悩んでいる古い作品を目立つところに置くのは、新しい作品が日の目を見るのに邪魔にしかならないので、なるべく回転率を上げて新しくて伸びそうな作品が常に冒頭に登場するようにしたいでしょう。
そういうわけでカクヨムのランキングは新しい作品が上位に来るようになっているようです。
カクヨムの人気ランキングは先述したように★とBMの数から得点を計算し、上位順には決めるのですが、同じ得点同士の作品ならばより新しい作品を上位に、古い作品は下位になるように順位が決められています。
つまり長く安定的に読者と評価とを得ている長寿作品は、発表からある程度経つと、同程度の人気のより新しい作品に居場所を譲らなければならなくなってしまいます。PV数も新規読者の獲得数も貰える評価もずっと安定していたとしても、ランキングは目に見えて下がり、目立つところに登場する機会は徐々に失われていきます。
では、発表からどれくらいの期間でそういう“落ち目”になりはじめるのでしょうか?
拙著『ヴァーチャリア』の場合、初公開が2020年7月5日・・・部門別ランキングなどの成績を記録するようになったのは2020年11月16日からでしたが、その時の部門別累計ランキングが2930位でした。週間ランキングや月間ランキングは上がったり下がったりを繰り返しましたが、その間も累計ランキングだけはずっと上げ基調で、下がることはほとんどありませんでした。
それが変わったのが2022年8月18日……その日に自己最高となる2256位を記録して以来ずっと下げ基調です。面白いことに部門別週間ランキングの自己最高記録(478位)も同じ日でした。
それ以降は一貫して下げ基調で、ランキングは上がっていません。最初の年は★を一度貰えれば週間ランキング1000位以内には入れていたのに、一週間以内に複数回貰わなければ1000位以内には入れないようになり、やがて★を1度貰っただけでは2000位以内にも入れなくなり、今では一週間以内に★を2回以上貰ってようやく1500位に手が届くといった状態です。累計ランキングも自己ワースト記録を毎日更新し続ける日々です。
つまりカクヨムでは、細く長く続けて次第にジワジワと人気が出てきて……という形でヒットするというパターンはほぼ実現しないと見ていいでしょう。
少なくとも書籍化を目指すのであれば発表から一定期間以内に……作品の旬が終わる前にバズってヒットし、角川なりどこかの出版社なりに認められなければならないということです。
拙著『ヴァーチャリア』のパターンでは初公開から2年が限界でした。以降は転落の日々です。
もっと上位の人たちにとっては転落に転じる時期はきっともっと早いでしょう。
それを考えると、もしも書籍化を目指すのであれば、初公開から1年以内に昇りつめるだけ昇りつめることを考えた方が良いです。
そしてもしも1年で芽が出なければ、その作品は諦めて次の作品へ傾注した方がいいでしょう。
もっとも、それは自分の作品を書籍化して小説家としてデビューを目指すならばという話です。カクヨム作家のすべてがそういう風に作品を作らねばならないというわけではありません。
あくまでも趣味で、自分の好きな作品を機にってくれる人たちに読んでもらいたい……そういう人もあっていいと思います。
カクヨム運営にとってそれがどうかは知りませんが……
カクヨムに投稿して思った事・・・ 乙枯 @NURU_osan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。カクヨムに投稿して思った事・・・の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます