04
しっかり、服を着た。いつものセーター。買い物は、彼と一緒に行ったりする。
「この前買ったセーターを出しました」
ラップトップの関係上、どの季節でも、自分の部屋のなかは少し涼しい。セーターや上着は必須。お部屋のなかを三角形のロボット掃除機がゆっくりと走り回っているので、毛糸の影響も心配しなくてよかった。加湿も適度に保たれている。
「くしゅんっ」
くしゃみ。
さすがに、下着だけでいるのは寒かったかな。ロボット掃除機が、わたしのくしゃみの予想落下地点にゆっくりと進んでいく。
彼。
なぜか、まだ、目を合わせてくれない。画面ではないところを、ずっと見つめている。
「あの。セーター。あなたと買ったやつ」
『あ。ああ』
ちらっとだけわたしを見て。また、違うところを見る。スポーツ番組でも見てるのかな。
『雨水槽。どうだ?』
「まだ、大丈夫です」
『そうか』
アスファルトの水たまりも、水捌けコントロールでなんとかなっていた。細かい調整は、こちらのラップで簡単にできる。
彼。
横顔。
「あの」
『うん?』
「この前の、監視カメラとのリンクの話。設営とかは、どうなってるんですか?」
『あ、ああ。順調だよ』
彼。
やっぱり、どこか。
ぎこちない。
なんとなく。
思い当たる節があった。
「もしかして。告白の準備してます?」
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