第60話 お風呂

「ふぁぁ。おつかれさま2人とも」


「うん。ヴィークくんもおつかれさま。ちょっと疲れちゃったね」


 無事にパーティーは終了した。ラズベリージュースも大人気だったし、アイン特製のから揚げも最高だとみんなから言われた。


 本当に素敵なパーティーになった。ただ、酔ってベロベロになったルーシーを家に送り届けるのが大変だった。


「ふー。それじゃあお風呂入れよっか」


 こうして今日の疲れを取るためにお風呂場へと向かっていった。




 ◆◆◆




「わぁ! これはすごいね」


 30分ほどかけてお湯が沸いたので入ることに。


 お風呂場は前にずっと入っていたコルン村のサムの家のよりは圧倒的に狭い。あのところが広すぎただけだ。


「アイン、アリス、ここはちゃんと別々で入ろう」


「えぇ!?」


「そんなっ」


 この世の終わりかというくらいに落ち込んだ2人。ずーんという感じでもう後ろに黒い靄のようなものまで見える。


「大丈夫大丈夫。上がったらいろいろしてあげるから」


「ほんと!? 絶対だよ! 髪梳いてもらったりしちゃってもいいの?」


「おう! 可愛いアインの髪梳くの俺も好きなんだ。さらさらでさ」


 そうヴィークに言われたアインはえへへと照れたような感じを見せながら自分の髪をくるくる触る。


「なら私は顔のマッサージ! ヴィークくんの手でしっかりしてね」


「了解だ。じゃあ2人、入っていいよ。俺の後はいやだろ」


「いやいや! ヴィークくんの後でも全然いやじゃないし! むしろそっちの方が……」


「え? 何か言った?」


「なんでもないから! 早く入っちゃって!」


 そのままぐいぐいとアリスに押されてヴィークはお風呂に入った。元聖女が変態だということは知られてはいけないのだ。


「ふぅ。気持ちいい。やっぱりお風呂っていいなぁ」



 ◆◆◆



「お兄ちゃん私もお風呂上がったよ! 良いお湯でした」


「お、お帰りアイン。本当にお風呂もよかったね」


「うん! それじゃあいい?」


 すたっとヴィークの前に座って持ってきた櫛を渡す。ちゃんと髪は拭いて乾かしてある。


「うん。おいでアイン」


 櫛を受け取ってゆっくりゆっくりとアインの髪を梳いていく。さらさらしていてでも柔らかい髪。


「アインの髪ってすごい綺麗だ。それにしてもけっこう伸びたね。そろそろ切った方がいいかも」


「ヴィークはどんな髪型が好き? ヴィークの好きな感じにしたい。好きな人の好みって大事なんだよ」


「そ、それなら俺はちょっとアインのポニーテールとか見てみたいな」


「ふふふ。分かった。今度して見るから楽しみにしててね」



「はい、ヴィークくん。次は私だよ」


 待ってましたと言わんばかりにアリスがヴィークの横に仰向けに寝転がる。でもそれじゃあ頭が痛いだろうとヴィークの膝の上に頭を置いた。


「えへへ。まさかのヴィークくんの膝枕。それにこんなに近い距離」


 膝枕をしたことでばっちりアリスと目が合う。


 これはかなり恥ずかしい。とは言えやると言ったとこはやらないといけない。


「それじゃあいくぞ。痛かったり、やり方が違ったら教えてくれ」


「うん。お願いします」


 恐る恐るまずはアリスのほっぺたに触れる。その感触は柔らかくてしっとりもちもち。控えめに言って最高。


「んっ。ヴィークくんの手、やっぱり男の子の手だね」


「そうかな。それにしてもアリスのほっぺた気持ちいい。もうちょっとこのままぷにぷにしてていい?」


「もう。ちょっとだけだからね」



 そしてそのままアリスのほっぺたを堪能したヴィークだった。


 ちなみにちゃんとマッサージしました。






 ===


 ここまで読んでくださりありがとうございます! 感謝の一言です! この作品ついに10万字突破いたしました! 第一の目標達成です。あとは読者選考突破! となればいいのですが。とにかく皆様ありがとうございました!



 この作品はこれからも更新していきます。アンデットとかアインとアリスの告白とかありますからね。ですので引き続きよろしくお願いします。


 九条けい

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勇者に追放されたので義妹と2人辺境の地で仲良く暮らします聖女様まできちゃったんだけと!?〜能力が覚醒するなんて思っていなかった〜 九条 けい @GReeeeN1415

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