第2話 伐戦者と入学式

■side銀河


ピピピピピッッ!!という目覚まし時計の音が部屋中に鳴り響いた


「………ふああぁぁ……ああ、よく寝たぁ…

はあぁ……着替えますか」


制服に着替えたあとリビングに行くと二人の男女がいた


「おはよう銀河」


「おはよう父さん」


そう言ってきたのは俺の父親である金城だった


「銀河、お前に仕事の依頼がきている」


「ああ、わかった。学校から帰ってきたら聞くよ」


「わかった」


父さんはそう言って新聞を読み始めた


仕事というのは暗殺や護衛のことだ


この世界には超常の力を持った人間がいる

そいつらを伐戦者〈イレイザー〉と呼称している。この伐戦者は国の軍事力の象徴と言ってもいいだろう。国は自軍に伐戦者を加えている。

なぜなら普通の人間に比べ遥かに“強い”からだ。


伐戦者の能力は強大だ。今から約三十年ほど前、第三次世界大戦が起きた。

その中枢にいたのが伐戦者だった。

彼らは己の力で多くの敵を殺してきた、はからずしも伐戦者が戦況をさゆうする存在であることを示した……示してしまった。


それから始まったのは伐戦者同士の殺し合いだった。伐戦者は伐戦者でしか倒せない、そんな理由で伐戦者は戦争に送り込まれた。

結果、人口の三分の一は死に絶え、そこでようやく戦争が終わった。


ちなみに日本は勝戦国の一つである。


「さあ、ご飯ができたわよ~」


そう言って朝食を持ってきたのは俺の母親である瑞希だった。


「はむ……はむ……はむ……ゴクン」


母の作った朝食を食べたあと歯磨きをし、鞄を持って家を出た







ーーーーーーー国立鳳凰院学園ーーーーーー


この学園は伐戦者の教育機関である


この学園の他にも多数の学園が存在するがこの学園の人気はナンバーワンだ


その理由はこの国の三英雄が通っていたからだ


三英雄とは第三次世界大戦でこの国を勝利に導いた三人の伐戦者だ


【大英雄】黒鋼刃覇


【覇王】黒神戦牙


【闘神】宮本武蔵


この三人がこの鳳凰院学園の卒業生であり後の世にその名を轟かせた英雄たちである



ーーーーーーーー入学式ーーーーーーーー


2028年四月五日


「これより第六十八回鳳凰院学園入学式を始めます」


「理事長挨拶、鳳凰院理事長お願いします」


そう司会の人が言うと壇上に一人の男性が立った


「新入生の皆さん入学おめでとう。私がこの学園の理事長を務める鳳凰院隆義です。

まず最初に言っておかなくてはならないことがあります。この学園は完全実力主義です。

強者こそが正義だ、この学園に入学した以上どんな家柄でも関係ない、弱者はただ強者に食いものにされるのみ……それが嫌なら”戦え”戦いこそが強くなるための最大の近道だ。もう一度言おう“戦え”そして“逃げるな”

ここに来た以上逃げ場など存在しない。

己の才能を決めつけるな!藻掻け、足掻け!

執念こそが勝利に繋がる力だ!…………

これにて挨拶を終了とさせていただく、願わくば諸君の中から“英雄”が誕生することを願っている。」


パチパチと拍手が鳴り響く


素晴らしい挨拶だった……そうか、力こそが正義なのか……


俺はニヤァと嗤った


「続いて、生徒会長挨拶、鳳凰院会長お願いします」


「新入生の皆さんご入学おめでとうございます。私が生徒会長を務める鳳凰院麗華です」


現れたのは絶世と呼んでもいいのではないのか、そんな美貌を持つ女生徒だった。


肩で切り揃えられた艶やかな黒髪に白のカチューシャ、ややつり目の二重まぶたの蒼い瞳

に、スタイル抜群で妖艶な空気を漂わせる美女だ


「理事長がおっしゃったとおりこの学園は完全実力主義です。そこには家柄も関係ありません。強者こそが正義なのです。クラス分けはこれから発表されますが、Sクラスが最高とされておりますが、学内の順位を上げれば誰にだって入ることができます。順位が下がればクラスから除名されクラスが下がることもあります。そのことを肝に銘じ、頑張ってください。以上です。」


パチパチと拍手が鳴り響く


鳳凰院ってことは、理事長の娘ってことか


たしか噂では学内序列一位で前回の七聖覇戦 祭の優勝者だったはず


自分を打ち倒した者の伴侶になると宣言もしていたはずだ


まずは、序列を上げるとこから始めるとするか


「続いて、新入生代表挨拶、黒鋼花蓮さんお願いします」


ん?黒鋼花蓮?


「私が新入生代表の黒鋼花蓮です。まず最初に言っておかなくてはならないことがあります。私はこの学園でトップを目指そうと思っています。私の夢は【大英雄】黒鋼刃覇を越えること、その第一歩がこの学園の頂点に立つこと、決して楽な道のりではなく修羅のごとく険しい道ですが、だからこそ越える価値があると思っています。憧れだけでは決して届きはしなし力がなくてはただの大言でしかありません。それでも私は越えたいと思っています。それが私を鍛え育ててくれた恩人に唯一できる恩返しだと私は思っています。以上です。」


パチパチと拍手が鳴り響く


フハハ!まさか宣戦布告をしてくるとはなあ


いいね、面白い!


花蓮は、艶やかな黒い髪を腰まで伸ばし、二重まぶたのクリッとした翡翠の瞳をしている


切れ長でスッとしている鼻、ぷっくりとしたみずみずしい唇、手足が長くスタイル抜群のモデル体型で、身長は170センチほどで、

スリーサイズは上から91、50、89だ


ちなみに幼なじみでもある


「以上で入学式を終わります」


さてと、次はクラス発表だ

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死神∅Silver 影山阿輝 @1181027210

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