主人公が描いたのは学校で聖女と呼ばれる女性だった。主人公も他の男子と違わず、その聖女に惚れていた。でも、人は見かけだけが綺麗な人を聖女と呼ぶのではない。本当の聖女は誰か。主人公の後輩の中村さんの魅力がとても伝わってきました。主人公も最後に聖女は誰か気付いて良かったです。いきなりプロポーズなのも可愛かったです。
本作を一言で表すと「絵になる短編」です。物語が進むにつれ、場面がいろいろと展開するのですが、それぞれの場面がとにかく絵になる。頭の中に画像が浮かんできます。また、短編の恋愛作品は一本調子の起伏のない作品が多いのですが、本作は、極小短編からなる連作作品のように、読者を飽きさせずにストーリーが進みます。かといってプロットのような急さはなく、ずっしりとした読みごたえがあるのは、著者の選択する語句の一つ一つに無駄がなく、徹底的に考えられているためでしょう。素晴らしい作品でした。
普段、側にいる子の魅力には気づかないものですね。自分を理解してくれる存在は偉大です。彼はとても良い選択をしましたね。
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