有線のイヤホン。やってみたかったですなぁ。
高橋留美子か誰かの漫画で、喫茶店で会ったアベックが二つのストローを差した飲物を一緒に飲む、みたいなシーンを読んだ記憶が有る。コント路線だったので、片方の男か女が、吸うのでなくて、息を吹き込んで液体が噴き出す、みたいな。
そう言えば、ストロー二本差しをシェアするアベックの姿を最近は見ない気がする。この数十年でベタベタしなくなったのか?
そう思い起こすと、主人公の気持ちも余計に理解できる。その点、隣同士に並ぶ有線のイヤホンは最適な小道具だ。
色々と下らない事を書いたが、星の数は、短編にはMAX2つ、が信条だからです。
漫画やアニメが大好きな両親の影響で、ひと昔の恋愛にほのかな憧れを抱く高校生の主人公。
古き良きキュンシチュエーションである『有線イヤホンを片方ずつ聞く』を幼馴染のヒロインに実行しようとするのだが……。
どうして、この年代の男の子は、こういうことだけにがんばれるんだろう。と、御多分に洩れない主人公も、様々な策を弄し、『有線イヤホンの片方を』渡そうとする。しかし、尽く、ヒロインに妨害される始末。
この、主人公の必死さがおもしろい。そこまでしてもダメなのか……?
そして、主人公が敗北感に打ちひしがれている時、ヒロインからの反撃が始まった。
あたふたして、ドキドキさせられる主人公はかわいいと思うけど……、わたしは、やっぱりヒロインを応援するのだ!
結末は……? やるなぁ……。恋の駆け引きが上手なのは、やっぱり女の子なのだ。