『忘れられた作家』という幻想。

玄野達樹という作家を知る人は少ないだろう。
なにせ作品が少ない。一作だ。
かく言う自分もこのレビューで知ったわけだし。
一作しか作品を残していないゆえ、
作家と作品を同一視してしまいがちではあるけれど
実際のところはどうだったのだろうか。

そういう風に思わせるほど、
このレビューの中に玄野達樹の足跡は残されている。
存在すらしなかった一人の作家と一冊の本を、
幻想として思い出させる。
まさに架空レビューの醍醐味と言えるレビューである。