名もなき黒き怪物

マキシム

名もなき黒き怪物

※残酷な描写あり、グロテスクな描写あり


アメリカのとある田舎町に住んでいる今年で15歳になる白人のケビンは幼馴染で同い年の日系人のケンジと黒人のマイクとともに森の中でオオクワガタを探しに探検していました


【ケビン】

「ケンジ、マイク、ボサボサしてると置いていくぞ。」


【ケンジ】

「おい、先を急ぐなよ。」


【マイク】

「ケビンは相変わらずの体力バカだな。」


【ケビン】

「お前らがトロいんだよ。さっさと行かねぇとオオクワガタが逃げちまうぞ!」


3人はオオクワガタを求めて歩いていると目の前に大木があり目当てのオオクワガタを見つけた


【ケビン】

「ケンジ、マイク、オオクワガタがいっぱいいるぞ!売れば大金が手に入るぞ。」


【ケンジ】

「3人で山分けにしようぜ。」


【マイク】

「相変わらず金にがめついな、お前ら。」


オオクワガタを虫籠に入れ、帰る準備をしていると「グオオオオ」と猛獣の唸り声が響き渡り俺たちは立ちすくんだ


【ケビン】

「おい、何だよこの唸り声は!」


【ケンジ】

「知らないよ、近くで鳴ってたな。」


【マイク】

「おい、二人とも早く帰る準備をするぞ」


俺たち3人は急ぎリュックに荷物を詰め込み、その場を離れようとした瞬間・・・


【???】

「きゃああああ!」


どこからか女の悲鳴が聞こえてきて俺たちは立ち止まった


【ケンジ】

「女の悲鳴だ、行ってみようぜ!」


【ケビン】

「おい正気かよ、お前、あの猛獣の声が聞こえなかったのか!とっとと帰ろうぜ。」


【ケンジ】

「でも、助けないと!」


【マイク】

「落ち着け!2人とも、幸い俺には護身用に拳銃を持ってる、女を助けに行こう!」


【ケビン】

「どうなっても知らねぇぞ。」


俺たち3人は女の悲鳴のしたところへ行ったが人1人の姿もなかった


【ケビン】

「おい誰もいねぇぞ、道、間違えたんじゃないか?」


【ケンジ】

「でも確かにここら辺のはずなんだけど」


辺りをくまなく探しているとマイクが・・・


【マイク】

「おい、彼処に何かあるぞ!」


俺とケンジはマイクが発見した場所に行くと


【ケビン】

「おい、マジかよ」


そこには辺り一面血だまりに溢れ、原型が崩れた状態の死体を見つけた


【ケンジ】

「ウェェェェ」


ケンジはあまりの惨状に耐えきれず嘔吐した


そんなケンジを介抱していたマイクは・・・


【マイク】

「ケビン、こいつはただ事じゃないぞ、早く森を抜けて警察に連絡するぞ」


【ケビン】

「そうだな、一旦森を出ようぜ」


【マイク】

「おい、ケンジ大丈夫か、すぐこの場から離れるぞ」


俺たち3人はこの場から離れようとした瞬間、後ろから気配を感じた、振り向くと、そこには全身真っ黒で顔がなく目だけが光っており身長が約4メートルもある人型の怪物が立っており俺たちはその姿に目を離せなかったが怪物は「ぐるるる」と唸り声を鳴らし俺たちに近づいてきた


するとマイクは懐から拳銃を取り出し「パーン、パーン」と怪物に向けて発砲した


すると怪物は一瞬怯んだ隙に・・・


【マイク】

「逃げるぞ!」


マイクの号令で俺たちは一目散に逃げた


どれくらい走ったか分からないがかなり距離を離したと思う


【ケビン】

「おい、そろそろ休憩しないか?俺、走れねぇよ!」


【マイク】

「そうだな、一旦休憩しよう。」


俺たちは偶然見つけた切り株の上に座り休憩を取った、するとケンジが・・・


【ケンジ】

「おい、何なんだよ!あの怪物は!」


【ケビン】

「知らねぇよ、こっちが聞きたいくらいだ!」


【マイク】

「拳銃持っておいて良かった、これがなかったらどうなっていたことか。」


俺たちは冷静になり、少しずつ状況を判断した


【ケンジ】

「女の人は、あの怪物に襲われたのかな?」


【ケビン】

「他に誰がいるんだよ、あんなの人間のやることじゃねぇよ。」


【マイク】

「2人とも休憩が終わったら森を抜けるぞ!幸い出口に近づいているから、一目散で民家に助けを求めるぞ!」


【ケビン】

「そうだな、生きて帰ったらオオクワガタを売って大金を手に入れるぞ。」


【ケンジ】

「ケビン、お前こんな時にも金だな。」


俺たちは休憩を終えて、出口までの道を歩いていると・・・・


【???】

「おーい、誰かいるか!助けにきたぞ!」


突然、男の人の声が聞こえた


【ケビン】

「おい、救助隊が来たんじゃないのか!」


【ケンジ】

「でも、俺たちの携帯は圏外だし助けが来るのか?」


【ケビン】

「いいじゃねぇか!偶然、森の中で迷った奴がいたんじゃないのか!」


【ケンジ】

「そうか?」


【マイク】

「とりあえず救助隊と合流しよう!」


【ケビン】

「そうと決まったら、おーい、こっちだ!」


【???】

「おーい、今、そっちに行くからな!」


俺たちは声をした方へ走った


【ケビン】

「おーい、こっち・・・・!!」


【ケンジ】

「おい、ケビンどうし・・・・!!」


【マイク】

「ケビン、ケンジ、置いてく・・・・!!」


そこには・・・・


【怪物】

「みーつけーた♪」


先程の怪物が人の言葉を発し、俺たちはまんまと怪物の誘いに乗せられてしまった

そんな俺たちに怪物が近寄ってきた、マイクは拳銃を「パーン、パーン、パーン」と撃ったが怪物は今度は怯まずに俺たちに向かって走ってきた


【ケビン】

「おい、マイク早く逃げるぞ!」


俺たちは出口まで一目散に逃げる、怪物は俺たちを追いかける、まさに肉食動物に追われる草食動物のような気分だった


すると俺たち3人のリュックから虫籠を落としてしまった・・・・


【ケビン】

「あぁ、オオクワガタが・・・・」


【ケンジ】

「今はオオクワガタよりも命の方が大切だろ!」


【マイク】

「ケビン、諦めろ!」


俺たちは虫籠を捨て、出口に向かった!後ろから「グオオオオ」と唸り声が鳴り響いたが俺たちは無視して出口に到着した


そこからは俺たち3人は近くの民家に助けを求め電話で警察に連絡を入れてもらった


警察に救助され、俺たちに3人は警察署の取調室で事情聴取を受け、死体のことも例の怪物のことも全て話した


取り調べを行った刑事も最初は半信半疑だったが俺たちが嘘を言っているとは思えずにいると突然、取調室にアメリカ軍の兵士が乗り込んできて、取り調べを行っていた刑事を追い出した


するとそこに如何にも軍の高官の軍服を着た年配の白人男性が来た


【グレイム陸軍中将】

「失礼するよ、初めまして、私はアメリカ陸軍のグレイム中将だ、君たちが見た怪物について話してもらおうか。」


俺たちはこれまでのことを全てを話した


【グレイム陸軍中将】

「なるほど、事の顛末は分かった。」


俺は意を決して聞いた


【ケビン】

「あの怪物は一体何なんですか?」


グレイム陸軍中将は最初は無言だったが静かに語りだした


【グレイム陸軍中将】

「君たちが見た怪物は最初からいなかった、死体も存在しなかった。」


俺たちは耳を疑った、俺たちが反論しようとした時・・・


【グレイム陸軍中将】

「これ以上、事を荒立てるなら君たちを拘束することも可能なのだよ。」


グレイム陸軍中将の発言に俺たちは黙り、取り調べは終わり家に帰った


俺たちが行った森はアメリカ軍によって閉鎖され立ち入り禁止となった


その後、俺たちは成人し、それぞれ仕事に付き多忙の中でも俺たち3人は連絡を取り合い家で酒を飲みあいながら思い出を語り合い、そして眠った


【ケビン】

「んん、夜中の2時か、小便、小便・・・」


俺は夜中に目を覚ましトイレに向かった


その途中、窓の外を見ると・・・


【怪物】

「みーつけーた♪」


俺はその場で意識を失った








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名もなき黒き怪物 マキシム @maxim2020

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