第4話 順調と言えるのか

筆者は尿路感染症になることもなく、ある意味順調に様々な検査を受けていました。

睡眠時無呼吸の検査。

24時間心電図。

食道と気道の機能を検査するファイバースコープ。

心臓と肺のMRI。

病床の介護ベッドに寝かされたまま、検査室に連れて行かれるのです。

『こんなん、まるで病人みたい

 やんか。』

等々、アホな冗談を言えていました。

かなり重症の難病患者ですから、病床ベッドのままで、当たり前なのです。

筆者の病気で筆者の年数で、車イスで動けていること自体。夢のような病状のようなのです。

球脊髄性筋萎縮症は、発症すると約15年ほどで完全な車イス生活になることが報告されています。

その後数年、発症から約20年で、呼吸器感染症を合併症として発症して、死因となることが報告されています。

筆者は発症から、すでに21年を経過しております。

もうかなり危険な病状には違いありません。

しかし、肝心な呼吸器の検査が、新型コロナの影響でできないのです。

痰を吐き出す能力が落ちています。

睡眠中の血中酸素濃度が、70%台まで下がります。

元気に見えても、現実はかなり悪くはなっているのです。

今回の入院では、余命まではわかりませんでしたが、少なくとも、無理や無茶はできないことは理解できました。

かといって、寝たきりになるつもりはありません。

胃瘻を作って、流動食で生きながらえるつもりはありません。

酸素吸入にしても、鼻チューブやマスク程度ならまだ考えますが、気管切開など、絶対にやりたくありません。

筆者は、自分の病状を知って、適切に対応できれば、まだまだ自力である程度のことはできるはずと考えております。

無理や無茶はできないにしても、自分で安全性を考えながら続けていけると考えております。

もちろん、今回の入院でも様々な不具合が見つかりました。

喉の奥にある球筋という呼吸と嚥下をコントロールする筋肉が麻痺していることがはっきりしました。

球筋の麻痺は、誤嚥の危険性が格段に上がります。

事実、誤嚥は始まってました。

誤嚥性肺炎の発症まで、時間の問題になっていました。

この世に未練は、残ってません。

幸い、3人の子供それぞれに子供が生まれました。

自然の中で、動物の雄としてのやるべきことは完了しました。

隠居してかまわない状況になりました。

お役後免には、なれるようになりました。

最近、若い方々があまり結婚なさらない中で、筆者の子供3人は全員が結婚してくれました。

その3組のそれぞれに子供が生まれました。

つまり、筆者の孫が3人になりました。

なんと幸せな爺ぃでしょう。

これ以上欲を言ったら、罰が当たりますよね。

体調なんか少々悪くても、子供達と孫達に囲まれている。

もう十分でしょう。

とか言いながらも22日にはバルーンカテーテルを抜去して、23日に泌尿器科のお医者様のエコー検査により、前立腺肥大が一段落したことを確認。

オシッコも順調に出始めて24日午前中に予定通り退院しました。

たしかに、今回の入院では、体調を崩しました。

前立腺肥大による尿閉なんて、タイミングのものですから。

浣腸の技術が、多少お粗末でも、看護師や看護助手が不慣れでも、そのうちなんとかなるでしょう。

筆者は、前回から1年以上経過して入院しました。

同じ病気の皆さんは、ひどい場合、3ヵ月に1回の頻度で入院されてます。

患者の状況を熟知してケアをする訪問看護師さんのようにはいきません。

訪問看護師さんでも、1ヵ月以上間隔が空けば違和感が出ます。

身体の機能が徐々に失われるにつれて、神経が過敏になっているような気がします。

筆者は、リュープリン注射の間隔に合わせて入院の計画を立てようと思っています。

リュープリン注射は12週間の間隔で打ちます。

最低入院間隔より少し短いですので、注射2回に1回入院するようにしようかと思っています。

半年に1回入院すれば、多少は慣れてもらえるのかと。

次回は来年の2月半ばでしょうか。

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新型コロナの病院に入院してきました 近衛源二郎 @Tanukioyaji

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