第3話 大変だ

入院して翌日。

筆者は尿閉しました。

若い方々には聞き慣れない症状と思いまず、

オシッコが、出なくなってしまいました。

超音波エコーで、膀胱の様子を診てもらうと600ミリほど溜まってました。

とりあえず、導尿して溜まった尿を抜いてもらって苦しみから開放。

しかし、貯水が速く、ナースコールに即応できない可能性まで考えてバルーンカテーテルを留置することになりました。

手術直後の動けない患者さんが、ベッドの横等にぶら下げているオシッコを溜めるビニールの袋です。

寝てる時はもちろん、お昼もオシッコに行く必要はなくなりますが、健康的とは言えません。

尿路感染症等のリスクがあるのです。

筆者は、前立腺肥大症になっていました。

高齢男性の多くがかかる病気で、本来なら、なって当たり前の病気です。

病気のデパートのような身体の筆者ですが、こんな軽い病気には、なっていなかったのです。

球脊髄性筋萎縮症の進行を遅らせるお薬のリュープリン注射ですが、元々は、前立腺癌や前立腺肥大症のお薬なので、筆者は前立腺肥大症の発症まで遅れてしまったのではないかと主治医とひそひそ話してました。

筆者は、高齢とまでは言えないものの、曲がりなりにも還暦を向かえます。

もちろん、前立腺肥大症適齢期ど真ん中ですね。

まぁ、出て当たり前の病気がそれなりの年齢で出たということは、筆者も普通に成長していたというわけのわからない納得をすることにしました。

筆者にしてみれば、前立腺肥大症等という軽い病気は対処療法がありますので、気にしてません。

インフルエンザや新型コロナのようなウイルス感染症は、肺炎になりますので危険です。

そういう意味では、これからの季節のインフルエンザの方が、恐ろしいでしょう。

ただ、自立支援制度の中の外出支援という福祉サービスが、1週間に2時間しか受けられていないので、感染するほど外出できないのです。

毎週水曜日に1時間。

これは、外出支援のヘルパー会社さんが福祉車両で来て下さいますので、雨天時でも、外出は可能です。

しかし、毎週日曜日午前中の1時間は、担当業者が福祉車両を持っていないので、雨天時は外出不可能になります。

したがって、下手をすると、週に1時間しか外出できないことがあるのです。

よほど大きなショッピングモールにでも行かない限り、いわゆる3密にはなりようがありません。

我々、難病患者の中では、ウイルスに感染できるほどの健康になりたいという冗談まで出るほど外出できないのが事実なのです。

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