第2話 恐る恐る

病院としては、あまりにも危険度の高い患者なのです。

本来は、受け入れたくなかったことでしょう。

持病のある患者が、新型コロナに感染すると重症化することはわかっています。

テレビでも、毎日のように言われていることです。

持病のある人や高齢者は、重症化しやすいと言われていますよね。

そんな中、肺と呼吸器に重い持病を持つ筆者は、病院としては、あまりにも危険です。

新型コロナに感染しなくても、いつ何時、どうなってもおかしくないほどの重症患者です。

万が一、新型コロナが感染したら、まず間違いなく死亡することがわかっている患者を受け入れて、やはりそうなりましたでは、世間のやり玉になるだけですよね。

何も、好き好んで、そんな危険性の高い患者を受け入れなくてもと思うのです。

もちろん、筆者にしてみれば、だからといって、治療を先伸ばしにするわけにもいかず。

他の病院への入院をすら考慮しはじめてました。

どうせ、原因不明で治療方法のない神経難病ですから、主治医に診てもらう必要性は低いと思うのです。

しかし、発症してから21年間、筆者の病状を見ながら、普通以上に頑張れているのは、紛れもなく、主治医の指導によるものと考えているのも事実です。

いつもの病院の筆者の治療チームでなければ筆者はすでにこの世の者ではないとも思えるのです。

コロナ禍において、不特定多数の人々が集まる病院という施設の安全性を、どう判断するべきでしょうか。

新型コロナの受け入れをしていない病院では、感染予防対策も、一般的なものです。

新型コロナの受け入れ指定病院である、筆者のかかりつけ病院では、新型コロナの疑いのある患者さんは、病院への入口すら完全に別です。

無症状陽性者も分ける工夫が保健所や救急隊の協力で分けており、一般的な患者が、感染症患者と同じ器具どころではなく、同じ通路も通らない工夫がされてました。

新型コロナ感染症患者の接触が少しでも疑われる方々は、施設への出入口が違いました。

新型コロナ感染症の受け入れ指定病院には、行政までが協力して感染拡大を封じ込めようとしていると思いました。

何か変とも思いながら、安心して入院することにしました。

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