最初は無能だった、魔法王国の十三番目の王子。
あまりに貴重な固有スキルが発現し、つい、深く考えることなく、王宮の皆の前でそれを披露してしまいます。
大事にされるのか、と思いきや、皆が目の色を変え、他国の間者までも王子の力を我が物にしようと画策するようにな事態に。
みんなの争いのもとになってしまったのです。
王子の力を手に入れて、権力争いに勝とうと荒れる王宮。
両親である王と王妃さえ、ついに王子をただの道具として使うようになりました。
ひどい扱いをされ、こき使われる日々。
でも、解放のときがやってきます。
解放された王子のこれからの運命は……
奇抜な発想で語られる王子の冒険譚。
えっ、王子自身がダンジョン?!
まず、一言。面白いです!!
きっと主人公を含め周りの愉快な仲間たちに常識人はいないのでしょう。かろうじて触手美女に擬態する使い魔がそうなのかなと思いますが……店を壊すは食い逃げするは、ちょっと優しさを無下にされたから主人公に変わって若者を魂ごと溶かして殺そうとするなどなど。ダンジョンの生活は見ていて飽きません。
あと主人公のストーカーさんが予想以上にちゃんとしたストーカーで笑ってしまいました。宝探してww
個人的には序盤に出てくる駆け出し冒険者と生き人形の話、20話の娘による鯖折りの表現がツボです。わりと硬めな文章なのかと思いきや、クスッと笑えるような表現やニヤニヤしてしまう小ネタも多くていい感じです。
テンプレっぽい設定もありつつ、独創的な世界観もあってかなり良いのではと思います。
悪い点をあげるとするなら、もしかすると改行の関係で読みにくいと感じる方がいるかもしれません。それでも内容は面白いので是非ご一読してみてください。