第11話 帰って来た者


これは数年前に私の母が体験した話です。


お盆時期、日本は連休中でほとんどの人が実家に帰省する日


この日私、母、姉の三人は家に帰ってくる兄弟を待っていました



母はキッチン、私と姉は別の部屋にいてゆっくり休んでいると突然キッチンから



(きゃ~~~~~~~~~~~~)



という母の悲鳴が聞こえたのです




何事かと思い急いでキッチンに向かうと青ざめた顔の母が玄関を見つめていました。



私「どうしたの?」



そう聞くと母は言ったのです



「見知らぬ男性の顔があった」と。



詳しく話を聞いてみると玄関から物音がした母が玄関に目を向けると


玄関の横にある棚の後ろから見知らぬ男性の顔がじっと母の顔を見ていたというのです。



もちろん棚の後ろには人が入れるようなスペースはありません。




お盆時期だったということもあり誰かが間違えてここに帰ってきてしまったんではないかと話す姉でしたが



母曰く、その男性の目は怒りに満ちていたと言うのです



それ以来、その男性の姿を見ることはなかったのですが


ただ間違えて帰ってきただけなのか…


目的は今となっては分かりませんが


近所の人に聞いた話によると私たちが住む家の隣の部屋で亡くなった男性がいるとのことでした



もしかしたら家を間違え、なぜ自分の家で見知らぬ誰かが暮らしているのかと怒っていたんでしょうか



今では毎年のお盆時期が少し怖いです

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実話ホラー集。 94EL @94elxx

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