秋の季語と友人への想いが絡み合う。

俳句には詳しくないのですが、悪友のことを詠んだというテーマが定まっていることで読みやすく感じました。
この作品の4句で用いられている季語は、
・秋薔薇
・月見酒(月見)
・秋夕焼
・秋蝶
です。

私が特に好きなのは秋薔薇の句です。
(ちなみに「薔薇」は、「ばら」だけでなく「そうび」と読むこともあるようです)
調べたところによると、薔薇には一年のうちに何回か花を咲かせる四季咲き性のものがあるらしいんですね。
そういった四季咲きする薔薇が秋に咲かせる花は小ぶりだけど香りが強い傾向にあるのだとか。

そこで薔薇の見た目よりも香りを重視して句を見てみると、薔薇の香りが悪友の姿を包み込む様が浮かんできます。
香りによる装飾が、その人をとても好ましく思っている気持ちを暗に語っているみたいで、好きなんです。

季語の持つイメージ・雰囲気と悪友に対する想いが絡み合っている。
そんな俳句が揃っているので、「こういうことかもしれない」と想像しながら鑑賞ができます。