ひいおじいちゃん

ここは俺の母の実家。つまり、祖母の家だ。

周りは畑しか無く、木造の古民家。

そこには、父、母、祖母、兄がいた。


兄と遊んでいて、奥の部屋に2人で行った。

そこは今は亡き祖父の書斎であった場所。

縦に長い部屋で、縁側に出られる。

だが部屋の奥には何故かエレベーターがあった。すると誰かが昇ってきた。エレベーターの扉が開く。


「お前を連れて行く。」


出てきたのは、俺のひいおじいちゃんだった。俺が小学2年の頃には亡くなっていたはず。

しかし、俺が知っているひいおじいちゃんの姿より、若い。60代に見える。俺のひいじいちゃんは96歳まで生きたから、シワシワのイメージしかないが、ひいおじいちゃんだと思った。


ひいおじいちゃんは俺を追ってくる。

勿論俺は逃げ出した。家中を走り回る。

足の速さは同じくらいだった。

何故、追ってくるのか。何処へ連れて行くのか。何もかもが怖かった。


暫くすると、いつの間にかひいおじいちゃんは居なくなっていた。


「おばあちゃん、助けて!」


祖母が廊下から歩いて来た。

もう既に何があったかが分かっている、祖母の顔からそう俺は感じた。

祖母に連れられてリビングに行った。

棚に、風呂敷が置いてある。


「この風呂敷の上に小瓶があったはず。しかし、今は無い。だから、ひいおじいちゃんが来たんだよ。」


俺は何故かその説明に納得した。

リビングには赤い服を来た男が5人くらいいた。親戚ではなく、お客さん。

祖母、母は歓迎している。だが2人は赤い服の男達の事をよく思っていないようで、警戒している。


「こっちに来なさい。」


「ひいおじいちゃん、また!?」


再びひいおじいちゃんが現れた。

やはり俺を何処かへ連れていこうとする。

風呂敷の上の小瓶は、無かった。

赤い服の男達は消えていた。


「小瓶はアイツらが持って行った!」


母が叫んだ。

俺は外に出て、赤い服の男達を追った。

後ろを振り向くのが怖く、畑の中を走っていった。

古いアパートに着いた。ここに奴らがいると、俺は確信していた。

ドアを開けて、入った。


そこはまるで喫煙所だった。服は赤ではなかったが、5、6人の男達がタバコを吸っていた。俺もタバコを吸った。

一番手前の眼鏡をかけた男が俺を見て、


「おい、大丈夫なのか?」


と、驚いた顔をした。

途端に、目の前が真っ暗になった。


気がつくと、仮設トイレの中だった。

頭の整理がつかないが、外に出た。

目の前には、スーツを着た太った男がいた。

スーツの男は、目がかなりギョロッとしていた。スーツの男は襲ってきた。俺は抵抗し、取っ組み合いの中、スーツの男は正気を取り戻した。


「ああ、君は、大丈夫だったのかい。」



ここで夢が覚めた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る