P5-その後

後書きの追記のようなものです。


この物語は時代背景をぼやかしましたが、実際の出来事は世間がコロナに踊らされている2020年の出来事になります。

そして2021年1月、凉音のモデルとなった方から『人格統合』をしたと報告を受けました。

たぶん、無理やりに……。


もう誰もいない、ましろも、由比も、月乃も……みーーーんないなくなってしまいました。

これで、この物語に登場してきた沢山の別人格のモデルとなった皆さんは、この世界から居なくなってしまいました。


……いずれ、こんな日が来ることは予想していたのですが……。


実は、作中でもエピソードでも触れていますが、私がリクエストして凉音モデルが描いてくれたイラスト。

これには凉音モデルが認識している人格の名前を全部書いてもらいました。

彼女は『まるで墓標みたい』と言っていたのを私はごまかしていたのだけれども、本当はこんな日が来た時の為の……、彼女の言う通り墓標のようなものだったのです。

彼女の手で書いたイラストに、自分の中の人(別人格)の名前を自ら記した作品になっています。


……私は終わりを見つめる人間です。……だから準備しちゃうんです。私は後悔しないって決めていますので。


この世界、凉音モデルの中にあの子達は確かに存在しました。

凉音モデル本人でも認識していない人格がいましたから、私は世界でただ一人彼らの存在を記憶する事になりました。


私は思うんです。

人間が自我を持つ必要があるのは、他人か存在するからだと。

自分の存在は、思ったより他人に依存してるものだと思います。

誰も居なかったら、言葉もいらない……、言葉を元にした思考も生まれない……。


もし、あの子達が広く周囲の人から認識されていたのなら、私はこんな想いは抱かない。

私だけが認識していたから、私はその存在の証として彼らを決して忘れてはいけないと思うんです。


彼らは生きた人間でした。

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20分割恋愛奇譚 こみーな @tsuyoshimizuki

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