本編&登場人物紹介
前話の番外編は、本編完結から約十年後のエピソードです。下記のあらすじから何がどうなってそうなるかは本編にてご確認ください。登場人物紹介は本編序盤段階(~9章程度)の情報に準拠しています。
【本編あらすじ】
祖国を滅ぼされた王女シャスティエは、仇の王の側妃になる。密かに復讐を意味する名を名乗り、夫には心を許さず、祖国の血を引く子に敵の国を継がせるのが目的のはずだった。
けれど彼女の心は揺らいでいく。敵国内の不穏な情勢、周辺国の野望の前には、仇のはずの男こそ最も信頼できる同盟相手だったのだ。優しく美しい王妃との交流や、生まれた子供に芽生えた愛も、彼女の憎しみを溶かしていく。一方で、敵対する者たちの悪意と陰謀が容赦なくシャスティエを襲う。
戦いに心身を翻弄される王女は、それでも血に濡れた道を歩む。かつては憎んだ王と共に。
※各話ごとに視点が変わる群像劇です。対立する登場人物が織り成す権謀術数をお楽しみ下さい。
※割とあっさり人が死にます。
【登場国&登場人物紹介】
【ミリアールト】
北方の小国。長い冬に苦しめられる厳しい風土ゆえに他国と争うことは少なく、文化的な気風の国。
シャスティエ(今回のエピソードではクリャースタ妃に改名済み)
ミリアールトの元王女。イシュテンの侵攻により父と兄が戦死したため女王となる。金髪碧眼、ミリアールトの女神・
のちに復讐の誓いを胸に抱いてイシュテン王ファルカスの側妃となる。
【イシュテン】
大陸の中央の草原に構える戦馬の神を奉じる国。しばしば野蛮と称されるほど好戦的で略奪を好み、王族同士や諸侯同士で争うことも多い。
ファルカス
イシュテン王。側妃腹で後ろ盾がなく、王位からは遠い存在だったが、ウィルヘルミナに見初められたことによりティゼンハロム侯爵家の後援を得る。しかし外戚に操られることを嫌って王の力を高めようとしている野心家。王としては忍耐強く武に秀でるが、実際は矜持高く狷介で激しやすい性格。
アンドラーシ
ファルカスの側近のひとり。イシュテンの武人には珍しく細身で女性的な容貌の青年。ファルカスに心酔し、王権を確立するために身命を賭す決意を固めている。
シャスティエを側妃に推し、駒にしようと考えていたが、彼女の誇り高く気丈な性格を知り、王に相応しい女性として心からの忠誠を誓う。
ジュラ
ファルカスの側近のひとり。イシュテン人に多い黒髪黒目、武人と言われて思い浮かべる典型的な姿の精悍な男。見た目に似合った謹厳実直な性格を買われて、ミリアールトの最初の総督に任じられる。後に呼び戻されて、友人のアンドラーシと共にシャスティエを王の側妃にしようと説得を試みる。
黒い真珠を求めて 悠井すみれ @Veilchen
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