やっぱり恋愛小説の名手でした。人間関係の捉え方が絶妙です。

こちらの作者様の作品はいつも読ませていただいていて、毎回「さすが、恋愛小説の名手だな」と感心するのですが、今回もやっぱり名手でした。
一番の特徴は、人間関係の捉え方の妙にあると言える気がします。
キャラクター同士の関係性や距離感が絶妙なんですよね。
ある者は片想いの状態から一歩を踏み出せず、ある者は嫉妬のために必要以上に踏みこみ、ある者は思いを寄せられていることにまるで気づかず勘ちがいし……。
そうした複雑な関係性を、作者様は、平易な言葉でさらりと見せてしまう。
構成力が巧みなのと、描き分ける技量がたしかなのでしょうね。
キャラクターの濃さで勝負するライトノベルとはまた違った、人間関係の妙で魅せてくる上質な恋愛小説。
この時期にぴったりな作品ではないでしょうか。

その他のおすすめレビュー

和希さんの他のおすすめレビュー1,124