あり得たかもしれないもう一つの世界

まずこのお話は私が書いた『夢と葉桜』という短編小説を、本作の作者である弥生さんがオマージュ、再構成して書いてくださった物語になります。そのため、本作単体でも十分お楽しみいただけるかと思いますが、二つの作品を併せてお読みいただけるとより楽しめるかと思います。
私が書いた『夢と葉桜』では主人公の男の子の視点で彼の人生と心情が描かれておりましたが、『琥珀』ではヒロインの女の子の視点で物語が紡がれます。作者の弥生さんが独自に解釈してくださった部分もあるため厳密には全く同じ設定・世界観というわけではありませんが、これも一つの可能性として見ると非常に魅力的で面白いです。
当事者である私が言うのもおこがましいですが、一つの作品を別々の作者が異なる視点で描くという試み自体が非常に面白く、作品の幅を広げてくれたと感じています。弥生さんに最大限の感謝を述べつつ、より多くの方に本作が読まれることを願ってやみません。